「正しい仏教とは来世だの霊だのとは関係ないのでは?それは幼稚な迷信ではないのですか」という質問を受けたことがある。
この人は仏教について仏教者と称する人から聞くか、おそらくは本のうけうりのみで自分で疑問に思って直にはしらべたことがないのでしょう。
仏教の根本をなすものの見方を正見と言います。
「正見」は仏道修行の眼目である八正道の根幹をなすものです。
「正見」の反対は「邪見」で要するに因果論を信じないことを仏教ではそういいます。
現代仏教の中には来世などないし、目に見えない鬼神、妖精のようなものがいるわけはない。それらは仏教には何のかかわりもないメイシンという説が横行してあたかも常識ある人の仏教のようにいいますが、わたしに言わせればそれらは「邪見」の最たるものです。
これらは「十事正見」にいう来世の存在を否定し、化生の存在を否定するもので仏教の基礎レベルで邪見に入ります。
要はそういうことを認めるのに抵抗があるので自分流に捻じ曲げてるんだと思う。
そういう学者さんとかは多い。それをそのままうのみにするのは自分も同じ気持ちだからだ。
今の仏教をどうのこうの論じる人は基礎的なことを知らない人が多すぎです。
学生時代に電車の中で仏教書(たしか覚禪抄の部分写本)を読んでいたら、やおら少し年上らしい隣の男性から「君は仏教信仰してるんですか?仏教は究極的には法華経です。そんなもの読んでもダメですよ。」といわれた。無視しても「真実の仏教があるのは○○だけです。」話しかけきてて邪魔くさいので
「フ~ン、じゃあ聞くけどあんた当然、法華経読んだことあるよね?法華経って何巻で何品あるかしってるよね?そもそもあなたの言う法華経は三訳あるうちのどれを言うの?」
そうしたらしどろもどろになって「あなた、そういう訳のわかんないこと言って人の話をごまかしちゃいけない。」とか抜かした。大笑いだ。どこだかの法華経信仰団体の人らしいが訳わかんないこと言ってるのはどっちだ。
最期に「あなた、ロクになにひとつ知りもしないのに、そんなこと知らない人に言わない方がいいよ。あなたみたいな人がいるとあなたの団体まで頭が狂ってる人たちだとおもわれて迷惑するかもよ。」と言って電車を降りた。
自分の言いたいことの基礎も知らない人と話なんかしても時間の無駄です。