金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

大河ドラマのでたらめな人物像

NHKの大河ドラマ「麒麟が来る」では叡山の座主 覚恕は山中に女性をはべらし飲酒を好み金銀時財宝をほしいままにする堕落した僧侶の象徴として描かれている。

これを見て実際そうだったと短絡的に思う人たちとがいるとしたらNHKの罪は極めて大きい。

 

何せ天下のNHK様である。

 

でたらめすぎることはいわないと普通は思うだろうが・・・・平気で言うのである。

 

覚恕はそもそも正親町天皇と犬猿の仲ではない。むしろ大変親しいなかであった。

 

座主は連歌や書を能くし、宮中にも足しげく参内して往時の手習いまでした一流の教養人であったという。

ドラマは元亀の法難を正当化するために、天台座主を焼かれての当然の人物像に作ったのだろう。

往時の比叡山には僧兵がいたがは正規の僧侶ではなく武装した護衛のための雇われ人と言うのが大半であったと聞く。

 

寺院が武器や兵を蓄えるのはたしかに律に背くが、なにせ戦国時代のことだし、野武士や野党も横行する無法の世の中であったことも考え合わせればあってもそういう自衛の準備があって不思議はない。

どんな状況下でも非暴力などと言うのは、現実の話では守るもののあるものには考えられない。

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なぜこれに比叡山は文句を言わないのか不思議でならない。

これが三井寺のことなら私はNHKに正面から抗議するよう宗派に強くすすめる。

あるいは自分で抗議に乗り込むだろう。

大河ドラマの担当者はどういうつもりなのだろうか。

フィクションとはいえ現存する宗教団体の長を事実を捻じ曲げて悪しざまに脚色はすべきではないだろうと思うが。