「相手を調伏してくれ」と言う祈願
さんざん「一切しないですよ!」と言っているせいか最近はさすがにそういう問い合わせは少なくなってきました。
しない理由は人を傷つける呪術は大前提でいうなら良くないという倫理的なものもありますが・・・
本当はね。ほとんどの場合そういう必要は実際はないからです。
「酷い奴なんです。本当です。被害にあってる人はわたしだけじゃない!」
そうなんでしょうね。ウソとは言いませんよ。
でも、酷ければ酷いほど見てみると相手はもうすでに半端じゃなく攻撃されている。
もともとそういう憎しみの念いを沢山に受けている人間が多い。
だからよけいおかしくなるんだろうね。
そういうのもあると思います。
もう攻撃の矢が何本も何十本も刺さっている。そこにもってきてわざわざいまさら一本ばかり撃ち込んでどうなる?って感じ。
こちらがすべきなのはそういう手負いの獣みたいな相手の攻撃からから祈願者を守るだけでいい。
専守防衛です。
まあ一番多いのはバリヤーみたいの張る。結界だね。
この結界に無理に踏み込めばダメージはあるかもしれません。
でも、そこで相手が無茶してどうなってもそこまでは知ったことじゃない。
そういうとこは可哀想と全く思わない非情の性格ですので。
第一術の現場にそんな余裕はない。そういうの一種の戦場ですから。
呪詛返し祭文なんてそういう類の祈祷で使う祭文ですが攻撃防御一体型。
実際それで式を打ち返せる。相手がどうなっているのかは知りません。
相手を知らなくても打ってきたもとに返るので。
私の師匠が猫の式打ってきたの撃ち返したら・・・相当な結果になったことがあるそうです。その時も攻撃はしない。交渉して猫の死霊に出元に戻ってもらっただけ。
皮肉な話だが逆に簡単に倒れてしまう人には悪人は少ない。
理由は簡単です。
矢が刺っていないから一本でも刺されば極めてきついダメージなんです。
だから簡単に倒れるようなら悪人じゃないかも。
頼んでいる側の方が悪人だったりしてね。
その辺も一方の話だけじゃわからないというのが本当です。
実際あるお寺で霊的な防衛をずっと頼んでいた人間が極悪人だった例もある。
そういった事実を調査までする理由はわたしにはない。
第一できないでしょ。そんなこと。私がすべき仕事じゃない。
でも事実を知らないで乗り出すことはできない
だからそういうことには防衛呪術のみです。
ホントに悪きゃ遅かれ早かれ返り討ちに合うさ。そういうもんだと思う。