金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

施餓鬼供養の功徳その118   善龍庵

 

 

 
善龍庵 大森義成先生

 

いつもお世話になります。

施餓鬼供養をお願い致したく申込みをします。

 

少し長くなるのですが、今まで施餓鬼供養や春の彼岸会をさせて頂いた中で最も不思議なことがありましたのでご報告させてください。

 

私は離婚した相手のお家の施餓鬼供養を何回かお願いさせて頂きましたが、今回、あー、本当にご先祖様への感謝は大切なんだなと思うことがありました。

 

私の元夫は○○○○○の僧侶です。もともと温和な人柄ですが、なんの苦労もなく努力もせず、ただただ何百年と続いた寺を世襲として継いだだけの人でした。

 

結婚してから知った気のない法事や職務のあり方に私はあきれ悲しくなりました。葬儀の時に御門徒さんから戒名の意味を聞かれても父親がつけたから分かりませんと言うような具合でした。

 

私や子どもに対しても一見優しいと言えば優しいのですが、それは世間体や自分をよく見せようとするものであって、私や子どものことを何一つ見ているわけではないことがだんだん分かってきました。

 

彼は今まで人に対しても物事に対しても一生懸命に向き合ったことが全くなかったのです。

ですので、別居後しばらくして忙しさを理由に子どもに会いに来なくなったときも、子どもはまだ幼児だということもありますが父親が来なくなったことに気づくこともありませんでした。子どもも父親として認知していなかったんだと思います。

 

そんな彼は、離婚した当初、子どもとの月一回の面会交流に遅れてきても挨拶もなく、目も合わさずにふてくされている様子で私はこの人は離婚してもまだ大切なことに気づかないのだろうか?と思っていました。

 

いろいろなことがあって私も随分苦しみましたので怒りも大きかったのですが、離婚することがこの人にとって最大限の私のしてあげられることだとも思っていました。これで人として大切なことに気づけないようであれば、そこまでの人なんだと思っていました。

 

ただ、大森先生や羽田先生のブログ、施餓鬼供養をされている方々のお話を読んでいるうちに、自分自身怒りをもったままではいつまでも苦しいままであることや彼にもいいところがあったこと、そして何より子どもの命を授かったことを感謝したいと思えるようになり、彼のお家の施餓鬼供養をさせて頂きました。

 

すると昨年年末頃から彼の表情が変わってきました。それでも最初は私も警戒して必要最低限のことしか話さなかったのですが、今年に入ってから子どものことで話すことがありました。すると自分は本当に今までひどかったと、そして私にすごく感謝をしていると話してくれました。

 

よくよく話を聞くとある方達との新しい出会いによって感謝をすることの大切さに気がついたとのことでした。

 

その中のお一人が話すことが私が彼に再三話してきたことと似ており、いろんなことが腑に落ちて周りに感謝をし始めたら不思議なことが起こり始めたということでした。

 

ご先祖様や周りの方々に感謝をすることを人生も大台になろうかという僧侶がやっと気づいたのかとお笑いになるかもしれませんが、高い塀の中で世間から敷居が高いと言われるような環境で育った彼には本当に大きな気づきの一歩だと思います。

 

しかも再三私が口をすっぱくして話していても伝わらなかったことが、やっと伝わり気づき始めてくれたのかと思うと彼が新しく出会った方達とのご縁はきっとご先祖様のお陰なんだなと大変ありがたく感じられました。

 

周りから見ればまだまだひよっこですが、今までは親任せであった職務も自分主導で少しずつ励んでいるとのことでした。

 

そして子どもに対しても接し方が明るくなったお陰か、最近では子どもも父親に会えることを楽しみにするようになってきました。

 

最近では子どもの話や世間話も普通に出来るようになり、子どものことにも見返りを求めるつもりはなくただ協力したいと申し出てくれました。また、私の身体のことも気遣ってくれたりと一気に彼の心の成長が始まったような様子です。

 

また彼自身、時々、私の家のお墓参りもしていてくれたとのことでした。本当にありがたいことです。

 

これらの話を聞いてご先祖様が彼を導いてくれたのだと思いました。

 

そして私自身もご先祖様に導かれたのだと思いました。彼に対して怒りだけで終わらずにまた感謝できるように思えるようになったことはお導きだと思います。

 

復縁は考えられませんが、子どもを通して新しい家族のかたちになれたのかもしれないと思えました。

 

「ご先祖様が安らかでありますように、生きとし生けるものが安らかでありますように」

毎日の感謝行の中でこの言葉のありがたさ、寛容さを感じます。

 

私が思う以上に私たちとご先祖様との繋がりは深いということも今回改めて教えて頂きました。

 

大森先生や羽田先生、共に行に励まれる方々に感謝です。

 

皆様に出会えていなかったら、私はまだ苦しんでいたと思います。

本当にありがとうございます。

 

そこで今回は前々からふと頭をよぎる方達の施餓鬼供養もしていこうと思いました。きっとこれもご先祖様のお導きかもしれないと思った次第です。どうぞよろしくお願い致します。

長文失礼しました。

 

時節柄、どうぞお身体に気をつけてください。

 

合掌

 

お知らせ
5月9日からはじまる施餓鬼供養は、申し込み締め切りは5月5日水曜日です。
 
初めての方は下記リンクをご参照ください。