貧窮眾生及疾病， 家宅兇衰眷屬離
貧窮あるいは疾病を得、家宅凶にして破れ、家族離散し
睡夢之中悉不安， 求者乖違無稱遂，
夜は不安にして悪夢にさいなまれ、求めるものは悉く意に反す。
至心瞻禮地藏像， 一切惡事皆銷滅，
かくのごときも至心に地蔵を礼すれば 一切悪事皆消え失せん
至於夢中盡得安， 衣食豐饒神鬼護。
夢中に安心を得て、衣食豊かにして鬼神の加護を得ん。
欲入山林及渡海， 毒惡禽獸及惡人，
もしくは入山あるいは航海に至るに害獣や悪人の難にあい
惡神惡鬼并惡風， 一切諸難諸苦惱，
悪神、悪鬼並びに悪風 一切の諸難、諸の苦悩あらんに
但當瞻禮及供養， 地藏菩薩大士像，
その時、ただただ地蔵を礼し供養せよ。
如是山林大海中， 應是諸惡皆銷滅。
山林にも大海のなかにもかくのごとき悪事まさに皆消滅せしめん。
觀音至心聽吾說， 地藏無盡不思議，
観音菩薩よ。我が説くところの地蔵の尽きざる不思議を聞くが良い。
百千萬劫說不周， 廣宣大士如是力。
百千万劫にも説き尽くせぬところ、まさに大士のかくのごとき力を広く宣べん。
地藏名字人若聞， 乃至見像瞻禮者，
地蔵の名を聞き、ないし像を見て礼拝するもの
香華衣服飲食奉， 供養百千受妙樂。
香華、衣食を奉り種々供養すれば、百千の妙楽を受けん。
若能以此迴法界， 畢竟成佛超生死。
もしそれなるを法界に巡らせば畢竟、仏となりて生死をも超えるであろう。
是故觀音汝當知， 普告恆沙諸國土。
この故に観音よ。まさに知りてあまねく国々に告げるべし。
貧乏、病も地蔵尊は救ってくださる。そして家宅の凶なるもの、風水的な悪さものぞいてくれます。この辺りはこのお経が中国でできたことをなんとなく語るものと思いますが、お経はインドでできようと中国でできようと日本でできようと真理であればいいわけで、私の頭の中には偽経という言葉はない。
また悪夢を見ること、求めるものが自然と得られなくなること。
これは心の深い領域の問題でしょう。これも地蔵様は解決してくれる。
地蔵とは単に地の底を言うのではないでしょう。
見えざる世界はすべて地の底と思ってよい。
人の心も大地のようなものであり、その奥にはいろいろなものが存在しています。
そしてそれは地下深く盛んに動く、たえずマントルのように動いているのです。
その心識の奥に働きかけてくれるのもお地蔵様です。
ゆえに悪夢は消えてしまう。
有名な東京・巣鴨の「とげぬき地蔵尊 高岩寺」は難病で苦しんでいる人が地蔵尊を拝んだところ、夢の中で地蔵尊があらわれて枕もと病鬼を錫杖でつつきだして、病が癒えたことが縁起になっています。
またお地蔵様の徳を慕う眷属の神々や鬼神は地蔵尊を信仰するもの守護して、その生活を守ってくれます。
また険阻な深山や波のさかまく海原のただなか、地上のどんな辺境の地でもお地蔵様の守護の及ばぬところはありません。
山でも海でもすべては地の上にあるゆえに地蔵の加護の及ばぬところはない。
そして、ひとたびも地蔵尊を拝めばわが心の大地の底深くお地蔵様はリンクしてくださるからです。
いつも地蔵はそこにいる。
わが心の地蔵尊。
ゆえに地蔵さまに美味しい者や美しい衣服などを供養し喜ばしめようとするのは、実は自分自身の心にお供え供養することと変わらないのです。
地蔵が喜べば貴方にも喜びが沸き、貴方が喜べば地蔵さまも喜びます。
それが真実の地蔵信仰です。
そして地蔵様のお陰をこうむれば、有難いと思うならばそれを同じように人々に供養すべきなのです。
それはほかの人の心も地蔵さまとして供養することになるからです。
その行いをする者を仏と言います。他にはこの世の仏はない。
かくのごとき善き行いをしうるものこそが真の仏です。
あなたもその喜びを生きれば、そのまま生死の苦しみをも超えるでしょう・
なお、お経の中ではお釈迦様がこれを観音様にかたる形で説かれています。
なお見聞利益品は地蔵菩薩本願経の第12番目のお経の偈文です。
お経自体は全部で14品あり、長いものですがよめないほどではないので興味ある方には全文読誦をおすすめします。
とてもありがたいです。一日一品読んでも半月で終わりますね。
おしまい
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なお、八月に行う地蔵盆施餓鬼はこちらからお申し込みいただけます。
