他所から聖天尊像をお預かりして浴油することを客天浴油と言います。
大体寺院様ですが、聖天浴油をする行者がいないとかいう場合に多い。
熱心な方は自分でもできるようになりたいが前行が終わるまでしてほしいという方も。
むかしは豪農や商家にも天堂があり、僧侶を招いて浴油をしたりした。
いまやほとんどそういう話は聞かない。
私が大福生寺で小僧修行時代にはまだそういう方も一人二人はいた。
そういう客天の多くはご祈願にむけてしっかりお働き下さるようお祈りてほしいというのが通例だが、実はもうかなり働いていることも多い。
のっけから祈願の浴湯に入ると「おいおい、お前、これ以上働けというのか?」と怪訝に思うようです。
だからどちらかというとお預かりしているうちは聖天様の休息、温泉宿に来たようにくつろいで頂く。
ゆっくり油の温泉につかって疲れをとって休んで頂く。
それで最期の最後に祈願の向きを申し上げる。
そういうことだと思う。