昔、師匠に仏教で一番大切なことは何かと聞いたときに、即座に「素直な心」とお答えになった。
あまり聞かないことなのでもっと難しいこと言われるかと思っていた私は少し拍子抜けしました。
するとそれを見抜いたように師は「法華経の自我偈に「柔和質直者則皆見我身」とあるでだろう。柔和質直なるもの、つまり柔和で素直な人だけが仏に会えるんだ。」といわれた。
「だが同じお経に不惜身命とある。そこまで真剣でないとダメだね。」ともいわれた。
師はどうしてそういうのか。
別な時に「聖天さんは素直な人が好きだ。多少ハメが外れても裏表のない人がいいんだね。」と言われた。
師は聖天様と接してそう思ったのかもしれない
素直というのは意外と難しい。
嫌、うんと難しい。素直な自分を作るとか飾るのは本当の素直じゃない。
素直というのは自分を飾らないだけじゃできない。
警戒の心を除いて自分を守らないまで行かないと素直にはなれない。
それはただの不用心ではない。
愚かさから来るものであっては違う。
大きなものに見守られている。
親鳥に見守られているヒナのように。
だからできること。
だからこれは信仰なくしてはできない。