六道輪廻の旅路には伴う人もなかりけり
一人生きては一人死す
輪廻の道こそ悲しけれ
これは時宗宗祖・一遍上人の御歌です。
考えてみればまことにそのとおりですね。
家族だって分かり合えると限らない。愛があっても完全にわかるわけではない。
たとえ心中したってまったく同じ時刻に死ねない。
死んでから会えるとも言えない。
むしろこの世で縁あった人はあっても同じ形では転生しないほうが多いと聞く。
だから生きていくうえでなにかの愛があれば良しとする。
それ以上は望んでも無理です。
家族でも友達でも子弟でも犬猫でもいい。
どんなに友人だの子供や孫がたくさんいたって、死んでいくときは一人で死んでいくんです。
それを思えば人間、否、生命とは皆、大前提で孤独なものでしょう。
そんな人生に愛があればそれで十分。深い浅いは問わぬが花。
浅くても深くても深く受け取ればそれは同じこと。