普賢延命の御経と言えば一般的には金剛寿命陀羅尼経です。
この御経は生老病死のうち、もっぱら死の恐れを除くために説かれたといいます。
私の本寺である大福生寺の礼拝作法中にも載せられている。
大福生寺で信仰していれば自然と唱えたお経です。
もともとは先々代の老僧の病気平癒でわが師が唱えだしたように聞いている。
その老僧の藤本大僧正は80歳を超えて亡くなりました。
だから一定の効験は見たというべきかもしれません。
わが師は今としては若く70歳でなくなったが一夜のうちに忽然と遷化された。
その時はずっと金剛寿命陀羅尼経を読んでいたのに…効かないのかな・・・という思いも正直あった。
しかし今思うに御利益がなっかったのではないと思います。
確かにお経には夭折・短命を除くとありますが、それは等しく90歳100歳まで生きることとは思わない。
人には定業というものがある。動かせない業です。
僭越ながら私が宿曜道で見るにわが師の命式は特殊命で「羅刹日」といって、もっと早くなくなっていても不思議のない方であった。
それが亡くなるまで病気らしい病気一つしなかった。
故に七十歳というのは十分に定業を転じた結果と思います。
そして、それは師匠の修業と天尊の加護、そして寿命経の力であったと思う。
占術の話は別にして普通、寿命というのは誰にも分らない。老少不定。
長く生きたから幸せと言えない人生もたくさんある。その逆も。
でも、この御経を読みいくつで亡くなったにしてもそれがご加護の結果という受け取り方も一つの信仰だと思います。
読みだした途端、細胞が若返るなどのアンチエイジングが始まるわけではなかろう。
何歳で亡くなろうが満足に生きたという考え方。
畢竟、信仰とはそういうものだと思う。
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