金剛寿命陀羅尼経を調べるうち二つあることがわかりました。
同名異訳というより内容的にはまったく別な経典ですね。
一つは日本でもよく知られている金剛智三蔵訳。
もうひとつは大廣智三蔵つまり不空三蔵訳。
後者には例の降三世明王が傲慢な大自在天とその后を踏み殺し。大日如来が普賢延命の姿を現して蘇生せしめた話があります。
こちらには経典中に普賢延命菩薩の「バサラユセイソワカ」もしっかり出てきます。
いわゆる延命法の儀軌に相当します。
一方金剛智訳はいわゆる日本でよく知られた金剛寿命陀羅尼経です。この経典には普賢延命の姿や真言はなく、一切如来が異口同音に金剛寿命陀を唱え、執金剛菩薩や四天王も各自の延命陀羅尼を解きます。
ややこしいですね。