金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

虚空蔵求聞持法

大昔ある教団で虚空蔵求聞持法をしたら頭が超よくなって東大も合格できるとか言って信者を集めた。

そんなこと本気で考える。

もうこの時点で頭が超悪い証拠だ。

虚空蔵菩薩の真言100万遍となえる暇があれば受験勉強しなさい。

なんとなればこれは仏智を開く方法で実は世間知とは関係ないからだ。

 

天台では相承は途絶えているが真言では今でも修行者がいる。

「いや、昔は天台でもよくしたんじゃ」と故・小林栄茂行院長からはお聞きした。

 

実際に修行をした僧の話をまた聞きに聞くと「行が終わっても50日も虚空蔵菩薩の真言しか唱えていないから頭がスッカラカンでなにもしばらくは普通に考えられない。」とのこと。

まあ、いわばいったん脳みそリセットするんですね。

幻覚が起きて・・・真冬に真っ赤な蝶々が飛んできたりすると聞く。

これはこれでスゴイことである。

多分脳みそのシナプスが大きく変わっているのでしょう。と勝手に思う。

若いうちならやってみたかった。

 

数年前、「虚空蔵求聞持法やりたい。息子にやらせて一流大学出てもらいたいので指導してください!」という電話があった。

?!

「それね、まず、密教僧になって四度加行という密教の基礎やんなきゃ無理ですよ。これ秘法だし。第一私は知らない。

知っていてもやったことある人に授からないと意味はない。」

私は昔、広島の真言宗の仏青の主催で山崎泰広先生の講伝受けただけ。

山崎先生の話では秘法は授かったら、必ずやらないと早死にするから今は法の伝授しませんとのこと。

お話だけです。そのほかは大森先生から「不断求聞持法」というのは授かったけど。

 

でもどういってもその人は求聞持法やらせたいという。息子も是非にと願っているという。受験まで半年もない。

それだけでもう一流のバカだね。

一流大学なんかてんで無理。

 

「そんなに求聞持法したいの?じゃあ大学出て真言宗のお坊さんになってからしなさいよ。今そんなことしてたら受験落ちるよ。っていうか、間に合いません。

基礎の修行に入ったらそんな受験なんかしてる暇ないですよ。」

「それじゃ困る!受験に間に合うようにしたい。」というだけ。

 

話にならんから電話切った。

 

これじゃ求聞持法ではなくて愚か者が悶えて求める「愚悶持法」だね。

 

ちなみに受験向きに頭のよくなる祈祷も私は知りません。

勉強しなきゃ頭にないことなんかいくら祈っても出るわけないと思う。

祈るなら日々の学業促進と当日のコンディションを祈るのみ。