小学生のころ、わたしのすんでいるところから頑張れば歩いて行けるところに田園地帯があり、送電鉄塔が立っていた。
私は野原や田園地帯に人気なく屹立と立つそうした鉄塔が好きだった。
なぜか超然と立つ巨大な鉄塔を見ると大げさに言えば胸をかきむしられるような気持になったものだ。
多分、孤独性だった私はそうした自分の「なにか」を鉄塔に重ね合わせていたのだろうと思う。
ひとりぼっちで屹立と立つ巨大な鉄塔のシュールさに畏敬の念さえも抱いた。
遠くに第二第三の鉄塔も見えたがそれは彼の仲間ではなく、黙々と去っていく鉄塔の姿にも見えたものだ。
この映画を見て主人公が鉄塔に惹かれるのもとてもわかる気がした。
主人公・見晴少年と同じく、鉄塔にはたどっていきたい謎めいた不思議な魅力がある。
鉄塔マニアというのはあるのかな。
子役の伊藤淳二が主演をしているちょっとばかり昔の映画だ。。