トカゲの餌を買いに伊勢佐木長者町の「かねだい」に行ってそのあと桜木町まで歩いて夕食にはひさしぶりにお寿司かなにかを食べたいと思ったがまだ四時だ。
少し早いのでひさしぶりに映画を見ることにした。
タイミングよく早く見られたのがこの映画。
内野聖陽と西島秀俊が中年のゲイカップルを演じる風代わりなコメディ映画。
原作は漫画だそうだ。
実はこのドラマはcsテレビでもやっていて、みたことがある。
こういう映画が普通に上映される時代になったんだなあ・・・と思う。
しかもかなりの人気がある。
LGBTの市民権ブームはここ数年、ものすごい勢いだ。
何か時代の方が追いつくのがやっとこさっとこな感じすらする。
実はこの映画にもそんなところが垣間見える。
前作の話だが西島演じるシロさんの親元に内野演じるケンジが正月に遊びにいく。
訳知りのシロさんの母親が悩んだ末、一度ケンジにあってみたいと言い出したからだ。
あった結果、お互いがぎこちない笑顔での挨拶とちぐはぐな会話でなんとか珍妙な新年会は終わるが、彼らが帰ったそのあとでストレスから母が倒れたことをシロさんは知る。
映画はその後の話だ。
母は覚悟していたとはいえ相当ショックだったのだろう。
それでもうケンジを二度とつれて来ないように親元から言われてしまう。
シロさんはそれなら自分も二度と正月には親元には帰らない決意をするのだが・・・
色々な新しい在り方がある。それは大いに結構だ。
LGBT、あってはならない存在、いてはならない存在としておしこめられ、無視され続けてきた人々。
いままでホントに辛い思いもしてきたでしょう。まことにご苦労さまでしたと言われるべきだ。
・・・ただそんな流れに取り残されてしまう人もいる。
古い価値観が変えられないでいる人もいる。
その人たちをあたまの古いわからずやだとか差別だとかいうのたやすいがそれは乱暴すぎるように思う。
彼らはそんなふうに罵られても理解できないまま混乱するだけだ。
アタマはそう簡単に更新できない。そういう人もいる。
時間も必要なのだと思う。
もう少しそこによりそうやさしさはあっていいのではないだろうか。
私が学部で心理学を学んでいた40年前はまだ同性愛は治療の対象でしかなかった。
そのままの頭の親たちもたくさんいる。
良い悪いではなく受け入れがたい人もいるのだと思う。
この映画でも正月以外は母親を気づかって足しげくシロさんは親元にやって来るようになった。
台所で料理を手伝ってくれるそんな息子(西島)に彼女は言う。
これからは「あなたの家族を一番大切にしなさい。」と。
受け入れがたい現実はあっても、そう思うのもまた紛れもなき事実なのだ。
人は賛成とか反対とかそんなに簡単に割り切れはしないことも多い。
特に身内のことはそうだろう。
どうあるべきかと思うのとそれを果たしてどう感じるのかはまた別なのだろう。
そのへんには配慮しなくてはいけない。
それが本当の人の思いやりというものだといえよう。