「行林抄」所載の十一面観音の護摩では部主を馬頭観音が務める。
部主というのは所属の仏のトップだ。
だから観音なら普通は阿弥陀仏。蓮華部教主だからだ。
若しくは息災立なら等しく大日如来となる。
だからこれは異例だ。
この二尊は深いつながりがある。
馬頭儀軌では北方に不空羂索観音。
南方に八大龍王 東方に十一面観世音を配する。
師匠は「十一面様と馬頭様は仲がいい」といっていた。
二体とも荒々しい観音だ。
十一面観音の姿は優しいが冷笑忿怒尊ともいう背後にが恐ろしい暴悪大笑面がおわす。
この笑う悪魔のような顔は他に類がない
馬頭観音は大忿怒形であるが実は諸観音のなかにも最も深い慈悲を発揮する。
好一対である。
観音でよく拝むのは本尊である十一面観音にきまっているがやはりついで馬頭観音だ。
三番手には元三大師の本地である如意輪観音になる。