無相法身 虚空同体
無居住所 但住衆生 心想之中 衆生意想
各々不同 随衆生意 而作利益 所求円満
爾時大会 聞説是経 皆大歓喜 信受奉行
後半です。不動明王は一個の神霊ではない。
したがって本来は虚空に遍満してあますところはない。
個なる存在ではないから住所もなく、我々の心のうちにまします。
霊狐さんに言わすと「仏とはすべてそのようなもの。ほかにどこに仏がいるというのだ?あれやこれやとよそに求めることは迷いの最たるものだ。そもそも金剛胎蔵の大曼荼羅も五峯八柱の寶楼閣もおのがうちにこそあるのだ。外には露ほどもない。」
「衆生の思いや気持ちはみな異なる。
それに従って不動尊は利益をなしたまう。
だが、これは不動尊がお前たちの願うことに従いて何でも与えるという意味などではないぞ。
ここにいう求める処を円満するというのは内在の仏性の求めるところを言うのだ。
それがためならば辛き目にも合わすぞ。それが不動の大慈悲だ。」
その次の大会もまたはじめ同様、「汝らの心の斎庭なるぞ。皆大いに歓喜し信受奉行しきとは汝らの心が不動の本誓にあいて喜ぶを言うのだ。」