だいぶ昔。30代のころ、家のなかを道のようにたくさんの霊が通過するのが見えるという奥さんがいた。
昔の格好をしているので今の人間ではない。
だから霊なのでは…?という話。
行って現地の屋払いを頼まれた。
一通り拝んだがあれでおさまったかといえば今思えば…無理だったと思う。
その後の話はきかない。
治まったのではなくたぶん、またよその行者に頼みに行ったのだと思う。
でもまあ無理だろう。
一つにはこういうのはあちらが悪いのではない。こちらがお邪魔しているのだ。
向こうに悪意はない。
普通見えないから何ともないが見える人がいたらやはり心穏やかではないだろう。
家のなかをぞろぞろ時代装束をつけた人達が行き来するのだろうから・・・
普通の方は見えないから皆目わからない。したがって怖くもない。
ご主人は見えないし、別段悪いこともないし・・・なんとも思っていないそうだが奥さんが怖がっているので依頼してきた。優しい良い旦那さんだ。
時々そういう感覚の鋭い人がいてその人だけ感知するのだが・・・
そこには霊の道があるのだ。嫌なら自分が出ていくしかない。
拝んで道を塞いだり、変えるのは無茶だ。
相手が霊でもそんな事をする権利はない。