この人は行しないといけない人というのはある。
別に行者の素質があるとかじゃないけど、今世行をしとかないとダメじゃないかなと思う人。
別に行したらエラい者になるとか、僧侶として出世するとかでなくて
ただ、今回しとかないと今度は来世はどうなるかなあ…と思う人。
別に人間として立派とか一流人とかでもない。
まあ言ってみればただ、ただ業力に翻弄される弱い人間にすぎない。
でも私もそんな人間の一人だったと思う。
師匠や先徳や先輩、同心同行、はたまた後輩や弟子、信徒の皆様のおかげで何とかなっているようなものだ。
過去世にいろいろ行をしても、そういう人はお浄土にすんなり行けるとかじゃないと思いますね。
お浄土に行くだけなら素直で本当に心優しい人、心に刃のない人がいけると思います。
だけど荒神祭文に言うように「仏にあらざればみな恨みあり、望みあり」だから簡単じゃないね。
むしろ自分で行かないんだね。まだまだそんなところへ行っちゃいけない。往ける己じゃないみたいな・・・どこまでもやり残し積み残しの衆生だ。
私なんか本当はこころに刃ギラギラの三毒の罰当たりの輩だからそう思う。
むしろ行が必要な人は色々そういう抱えている因縁がある。
でも行すればそれが渋カキの渋が甘味に化けるように大きな果報がある。
そう言う人にはそういう人の進み方があるのさ。蛇の道は蛇が知る。
そして徐々に進むんじゃなくて。ぱっと変わるときがくる。
だけどね、それが現世なのか次の世なのかはわからない。