今日からお盆ですね。
お寺で追善のお塔婆を立てる方も多いでしょう。
お塔婆って何だ?という素朴な疑問を考えてまいります。
お塔婆は実は地水火風空の宇宙の五大要素を現しています。
ですからそれぞれに上からキャ カ ラ バ アという梵字が示されています。
それが順に空 風 火 水 地に当たります。六つのエレメントは六大という。
あの不思議な切込みも上から宝珠型、半月型、三角、丸、四角でそれぞれのエレメントのかたちです。
合わせたらああいう形になる。宝塔というのはこれを建物にして建てたものです。
板塔婆はそれの略式です。
現代的に言えば六大は 空は電磁波や宇宙線や空気 風は大気の流れ、転じて呼吸
火は熱エネルギー(熱自体がエネルギーなのでこの言葉は正確ではないですが・・・)
人体においては体温
水は流動するもの、沈下するもの、液体、血液、体液。
地は大地、固形のもの、人体においては肉や骨です。
これらの裏に大きくバンと書いてある、これは金剛界大日如来の種字で仏性です。
地 水 火 風 空 全てにある。だから山川草木国土悉皆成仏といえる。
だけど人間の六大は死んだら分解しなくなる。
これがきれいに分解したほうがいいのです。
何故なら塔婆に書く六大とは私たちのよりどころだった肉体でもあり、言い換えるなら煩悩の中枢センターだった存在です。
それがもとより空に帰するならそれによって作った業も消えていく。
もう煩悩のよりどころがなくなりますから、
これがうまく消えない最たるものが幽霊ですね。
過去を引きずる。前世から離れられない。
だからそうならないようにもう完全に肉体を分壊
随って追善回向に塔婆はとても大事です。
業をひきづらぬ妙法です。
仏教の考え方は現世で「悪い事したんだから来世は苦しんで当然、ざっまあみろ!」ではない。
善人も悪人も業をクリアリングするのは勧める。特に悪業多く積めば余計です。
だから追善回向は大事です。
こういう思想を日本人は昔から「死ねば仏様」と言ってきました。
美しいことだと思う。
お隣の韓国なんか、昔は「剖棺斬首」と言って死んでまで罪を問うて首打った。悪くすれば九属皆殺し。これは儒教の国だからかも。
お寺に行ってもお経だけで結構、塔婆はあってもたのまないという人がいますが意味がわかっていないからでしょう。
塔婆は大事です。
だからどんなに罪や過ちがあってもここがきちんとできていれば、次の転生でそのぶんカルマはひきずらない。
記憶の中、異熟といいますがそのなかにあはるけど、クリアリングができていればそれも消去しやすいですね。
それで逆修と言って生きているうちから自分お塔婆建てることもするんですね。
これを考えると肉体を分解しない方向のミイラなんかはこの世でやることがある人がなるものですね。
即身仏というのも衆生を救済する心を永遠に留め置くということでなるわけです。
言ってみればこの世で善い幽霊になって働くという願い。
まあ、一般のお人の考えることではないですが・・・。