金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

家名に潜む霊系の不思議

西陣聖天の谷田住職からお聞きしたお話。

 

もともとは谷田住職は横浜の方で名字は小野姓でした。

西陣聖天はご高齢の老僧のお手伝いで派遣されていたようです。

この老僧、

90歳すぎてもなお浴油されたとか。すごいお方です。

やがて紆余曲折あって、谷田師が西陣聖天雨宝院の後継者となることが決まった時、老僧がこんなことを言われたとか・・・

 

「あんた、小野で通すつもりか知らんがな・・・谷田家に入ったほうがいいぞ」

「・・・?」

「谷田の二文字に各々サンズイつけてみろ、浴油と読むやろが。」

「 ‼ 」

その言葉がきっかけで小野姓から谷田姓に変わったそうです。

これは単なる語呂合わせ下はない。家系には霊系がある。血のつながりは必ずしも関係ない。

例えば上杉家も代々養子だが上杉謙信公以来の霊系は生きているとみえて名君が多い。

たとえば、昔からある何代目○○という襲名というのもそういうもの。

芸事でも商いでも宗教でも実はその霊系を継ぐのだと思います。

この場合は90歳すぎてもなお浴油をされた老師の霊力を受け継いだと言っていい。

逆に血統は必ずしも霊系を継ぐものとは限らない。

上杉の仇敵、武田信玄の長男太郎は謀反で自害、四郎勝頼も無謀で知略は父信玄には程遠く武田の家を滅ぼしてしまった。

滅ぼした側の織田信長には男子は大勢いたが天下に名を成したものは信長以外いない。

古くは三国志の劉備玄徳の息子は愚鈍だったため、玄徳は諸葛亮孔明にこそ後を頼んだという。

 

このように名家の血筋に生まれても暗愚なものは枚挙にいとまない。

夫婦別姓が話題になるが別姓では霊系からは外れるかもしれない。

もちろん外れた方がいいような家もあるが・・・。

私の名は本来父方の高橋姓のはずが母方の羽田姓だが、羽田家の守護神は白山明神で本地十一面観音であります。十一面観音に仕える私としてはそこに霊系というか因縁を感じます。

 

名を継ぐには意味がある。

霊系を継げば守護神を継げる。