金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

名づけ 字義の難しさ

 

姓名判断のお話。

子供の名づけを頼まれるとき最近多いのは「稀」という字。

流行っているのだろうか。やったら多い。

だがこの字を上手に使うのはなかなか難しい。

個性を重んじて付けたり、世の中に優れて稀な人間という意味で使いたいのだろうが、

稀は基本的に「稀薄」にみるように「薄い」とか「少ない」という意味がある。

人数として薄いから、転じてすなわち稀なのだ。

良い意味で「まれ」というなら希望の「希」を使うのが本来的である。

「ねがう」という意味があり稀よりずっとよい。

ちなみに日露戦争の英雄である乃木希典元帥の「まれ」は希のほうだ。

稀ではない。

 

例えばこういう名前を付けたらどうだろう。

幸稀(ゆき)

余にもまれなる幸せに恵まれるだろうか。

幸薄いひとになるだろうか。

前者を望んでこういう名をつけたいのは当然だ。

だが、私は自然な読み方はむしろ後者であると思う。

また主に女子で「稀」という一字名の人もいるが12画という極めて悪い数である。

つけてはならない名前だと思う。

ゆえに希望が多いが、私は極力「稀」の字は使わないことにしている。

字義は良く良く調べねばいけない。

逆に画数ばかり重んじて訳のわからない名前などつけることもあるがそれもまた基本的に凶だと判断している。

人の名前にケチをつけようとは言う趣旨でいうのではない。だが新しく子供につけるなら注意したい。

もっとも名前をつけるのにそんな占いなんかどうでもいい。余計なお世話!という人もいるだろう。

もちろんそうだ。

そういうひとは私のほうでもどうでもいいと思う。どうでも知ったことではない。

ききながせばいいだけだ。占いにも色々あるしね。

だから万一この記事を見て非常に不愉快だと思う人があってもお詫びなどする気はさらさらないと言っておく。