金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

殺生とは

生き物を殺すのが殺生なら病原菌を薬で殺すのはどうなんだろうという質問。

結論から言えば仏教のいう殺生の概念には当たらないと思う。当時の概念に病の本が細菌とは思われていない。

厳密には生き物を殺すのがそのまま殺生ではない。

それをいうなら野菜だって生きている。

では殺生とは何かだがまず有情といって感情の働きのあるものをいうのだと思う。

昆虫はどうか?喜怒哀楽はわからないが捕まえようとすれば逃げるのはやはり情動はあるというべきだ。

涅槃図で釈尊の死にあつまる生き物がその辺を代表していると思う。

華厳経では仏陀を殺すのが一番罪が重く、ついで人間、動物となっている。慈悲や愛の深いものを殺すほどにいけないと考えるのだろう。

犬やネコなどを虐殺するのはもってのほかだ。仏教者なら食べなくていい生き物を興味本意に食べるなどもどうかと思う。

私たちは殺さないで生きられない。生命すべてがそうだ。なればこそ無用に殺してはいけないのだと思う。