私に所帯を持たれているお弟子さんがけっこうある。
自分の門下のことをほめるのおかしいが正直に皆「えらいなあ・・・」と思う。
なかなか修行しながら家庭のこともされていくのは大変だろう。
仕事との時間的兼ね合いもそうだろう。金銭の上でもそうだし、なによりも家族への自分の行することの説明ということでもそうだろう。
いつも私は「あなたが行をしに行こうが、酒飲みに行こうがゴルフに行こうがパチンコに行こうが家族から見たらおなじ好きなことをしているにすぎないのだ。要は好きなことをさせてもらっているのだ。それを忘れてはいけない。」といっている。
自分で好きで修行することを許してもらっているので決して偉そうに言えることではないのだと。
基本的に所帯のある方についてはただ得度するだけならともかくも、基本的にはよほどの事情もでないなら専門の行者になりたいなどというのはやめなさいとしか言わないことにしている。
私自身は余裕のない器の小さな人間なので、今にして家庭がなくてつくづくよかったと思っている。思うにきっと今の半分も活躍できなかっただろう。
それを思えばある意味、皆のほうが私などよりも立派だろう。
所帯のある方は私のような独り者よりも所帯の在る師匠につく方がやりやすいかもしれない。
別に修行云々がなくても円満な家庭を維持するのも容易なようで決して容易な所業ではないだろう。