人型加持はもともとの名前は「雛型加持」で師匠の師。そのまた師からの伝承である。
私が師匠の寺で小僧をしているときは師匠は四六時中人型を書いていた。
300以上も書いておられた。
それでどう拝むのか聞いたら「別に壇に上がって祈願はしない。これは書くご祈祷だから書くだけで効く。そのくらいでなきゃ。」といわれた。
「お札よりもこれが効くのだ」とも言われた。
書くことで祈願から開眼までできてしまう。
実際、書き方には口伝があるが大変良く病に効く。一門の秘術である。
実際これに付属の短い法はあるのだが師はなさっていなかったようだ。
病気だけではない。書き方次第で方位除けから魔除けまで幅広い。
だから「これ教えてやって信者ができないようなものはもうダメだ」と言われた。
難しいことで法を効かせるわけじゃないのだ。
「それでまず10人信者作れ。
そのおおよそ10人が四六時中出入りするなら、まず食べていかれるのだ」ともいわれた。
噂を聞いて師匠より術を受けに来る行者があったが「やったけど効かなかった」といわれると「ろくに行もしないくせに文句だけ言う。効かぬなら行者の恥と思って行をしないようなダメな奴だ。」といっていた。
だから私も行の終わったものには「人型加持拝でまず10人信者作れ」と言っている。
もっとも私自身は師匠のような卓越した法力などないから一体一体真言100篇づつ念誦して出している。(笑)