「当時の皇帝であった北宋の第2代皇帝・宋太宗は、逃亡した宮女を捜索させ、まもなく捕らえて皇宮に連れ戻した。
規則では、宮廷からの逃亡は重罪であり、死刑に処されることが定められていたが、宋太宗はこの宮女をただ処刑するのではなく、別の方法で処罰を下すべきだと考え、まずは監禁した。
この提案に対して、ある側近(※劉承規という説も)が「逃亡した者は死刑という決まりがあります。もし死刑にしないなら、今後も逃亡する者が増えてしまうでしょう。やはりその宮女を処刑し、その肝臓を取り出して、見せしめにしたら良いでしょう。」と提案した。
宋太宗はこの提案に渋々同意したが、実際にはこの側近は別の策を考えていた。
側近は人を使って宮女を処刑するふりをし、彼女を遠くに逃がすことにしたのだ。
そして、市場で豚の肝臓を購入し、宮女の肝臓であるかのように見せかけて箱に収め、宋太宗に差し出した。
これを見た宮廷の宮女たちは、逃亡の代償がいかに厳しいものであるかを思い知らされ、震え上がったという。
しばらくして、側近は宋太宗に真相を明かした。
結果的には、宮女の命を救うとともに、他の宮女たちに警告を与えた一石二鳥の策となり、宋太宗はこの側近を称賛したという。」
皇帝も人間だ。人を殺したくなかったのでしょう。