羽田談
貧乏位、面倒で嫌なものはない。病苦の次に忌むべきものです。
死苦を受けるとも貧苦を受けるなかれと「毘沙門天王功徳経」にいいます。
オーヴァーなようですが死ぬのは皆一緒です。
死なない方はいません。
ですが「貧苦」はそうではない。
私にいわゆる「清貧を尊ぶ」という考えはない。
貧乏は人の義理を欠き、家族を辱め、故なく人に蔑まれた扱いや嘲りさえも受ける。しまいには心まで蝕まれる。貧乏は賛美するところはありません
身に染まぬ贅沢は無用であり、身を亡ぼす道ですが、さりとて貧乏にはよいことはなにひとつありません。
それはなぜか?
それは貧乏してはいけない社会環境にいるからです。
仏教にも「三衣一鉢」というがそれでいいのは充分に生きて行ける環境にあるからです。
家族を持たずにサンガに身を置くのですからそれは必要最低限であってもそれは貧乏ではないのです。
だが貧乏はよくない。
質素は美徳だが、貧乏は美徳じゃない。