金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

人生不可解 大いに結構

「巌頭之感
悠々たる哉天壤、遼々たる哉古今、五尺の小躯を以て
此大をはからむとす。ホレーショの哲學竟に何等の
オーソリチィーを價するものぞ。萬有の
眞相は唯だ一言にして悉す、曰く、「不可解」。
我この恨を懐いて煩悶、終に死を決するに至る。
既に巌頭に立つに及んで、胸中何等の
不安あるなし。始めて知る、大なる悲觀は
大なる樂觀に一致するを。」

藤村操、18歳、明治36年5月22日

この文を残して華厳滝に飛び込んだ。

なかなかの名文。

教養の深さ。人品の高潔さのほどがしのばれます。

 

ただ、仏教的にえば「分別智」の極致だ。

人間の思慮分別を超えるものはあって当たり前。

所詮人の知恵は生きるためのもの。

生きるために必要なことしかわからないようにできている。

生き物は総じてそうしたもの。それ以外の真実などどうでもいい。

人生不可解、大いに結構。

不可解だから面白い。

不可解なればこそ我生きる。