金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

私の法華経

法華経あれこれ

「一切衆生」の思想と「安楽行品」

仏教では一切衆生ということを言います。 誰でもという意味。人間に限らない。動物も神々も鬼神もです。 「四弘誓願」にも衆生無辺誓願度 といいます。 四弘誓願は仏様自ら誓っている「誓」でもあり、仏道修行者が仏様に誓って自らか行ずるものでもあります…

回向文の話 おおいなる祈り

願似此功徳 普及於一切 我等与衆生 皆共成仏道 というのが回向文 法華成仏偈ともいわれています。 多くの宗派で唱えられているのをみると日本仏教の基盤にある法華経信仰の厚さを感じます。 師匠はこの法華成仏偈は何の祈願でも必ず最後にお唱えしなくてはい…

十非心 最終回 二乗道

「 十には その心念々に善悪の輪環、凡夫は耽めんし賢聖は呵するところ、破悪は浄慧に由り、浄慧は浄禅に由り、浄禅は浄戒に由ると知って此の三法を尚ぶこと飢たるが如く渇するが如き、此れ無漏の心を発して二乗道を行ずるなり。」 いよいよラストです。二乗…

十非心 その9  無色界道

「九つには その心念々に五塵六欲は外の楽にして、けだし微なり、三禅の楽は石泉の如く、その楽内に重しとおもうは、此れ梵心を発して色無色の道を行ずるなり。」 無色界は欲界、色界の上に位置する上位の世界。 欲界は欲望の世界 色界は欲望希薄な存在の世…

十非心 その8  尼乾道 

「八つには その心念々に利智弁聡、高才勇哲にして六合に鑒達し、十方に仰々たるを得んと欲す、これ世智心を発して 尼乾道を行ずるなり。」 尼乾道というのは塗灰外道のこと。 今で言えばジャイナ教徒です。彼らはきわめて殺生を嫌うので河で生き物を痛まめ…

十非心 その7  魔道 

「七つには その心念々に大威勢ありて、身口意纔かに所作あり、一切弭き従わんを欲するは、これ欲界主の心を発して魔道を行ずるなり。」 宗教者でも成功している人、お説教がうまいとか、特異の神通力があるとか、大寺院の住職、大学者。 なんにせよ大きな力…

十非心 その5 人道

「五つには その心念々に世間の楽を欣んでその臭身を安んじ、その痴心を悦ばしむるは、此れ中品の善心を起して人道を行ずるなり。」 ここにいう人道を行ずるは人道的行為をする意味ではなく、普通の人のありようが語られてるのです。 そもそも人と言うものは…

十非心 その4 阿修羅道

「四つには その心念々に常に彼に勝れんことを欲し、人に下るに耐えず、他を軽んじて己れを珍ぶこと、とびの高く飛んで下し視るが如く、而も外に仁義礼智信を揚げ、下品の善心を起すは阿修羅道を行ずるなり。」 自尊心と競争の世界、自分が人に負けるのが耐…

十非心 その3 刀途道

「三つには その心念々に名の四遠八万に聞え、称揚欽詠せらるるを得んと欲し、内に実徳無うして虚しく腎聖に比べ、下品の十悪を起すこと魔けん堤の如きは、此れ鬼心を発して刀途道を行ずるなり。」 摩犍提とはマーガンディアという異教の修行者です。 お話に…

十非心 その2 血途道

「二つには その心念々に眷属多からんを欲し、海の流れを呑むが如く火の薪を焚くが如く、中品の十悪を起して調達の衆を誘うが如きは、此れ畜生の心を発して血途道を行ずるなり。」 海がすべての川の流れをいざない、火が薪をもってごうごうと燃え上がるよう…

大通結縁

法華経のとても素晴らしいところは「大通結縁」ということ。 簡単に言えば縁を繋いでいく仏縁のリレーです。 種塾脱の三益ともいう。仏縁の種をまく それが熟して芽を吹き育つ そして仏果を得る この繰り返し。 だから寿量品ではお釈迦さまの前世からの弟子…

霊験ある法華経の読み方 一念三千

天台には「一念三千」という考えがある。 三千というのは三千世界で簡単に言えば宇宙全部。 十界互具という境涯に十如是という働き、三種世間という環境を掛け合わした数です。 ここを解説すると話は長くなるので今はアバウトに宇宙全部でいい。 たった一つ…

大通結縁

祈願をしていると人生の交差点を感じる。 闇に徐々に呑まれ沈んでいきながら必死で手をつかんでほしいと願う人。 もう、ここからどこかへ新たな旅立ちをしようとしていこうとする人 勢いよく飛び込んできて、ただ、すれ違うだけだった人もいる。 人生の交差…

疑似霊障を退ける法華経の心

霊障だという方のほとんどは疑似霊障です。 基本的に強い恐怖や瞋りなどの抑圧された思いが鬱積しています。 それが核となり心身の不調となってきます。わかりやすく言えば長期のストレスです。 原典には幼少期のマイナス体験がある人も少なくない。 特に親…

「生きる」という悟りのスタイル

台密の法華経読経作法の一法のなかに「二乗厭離の心を射る」という印が出てくる。 二乗とは「声聞」と言う釈迦の教えをじかに聞いた仏弟子 「縁覚」といわれる他縁によって独り悟った人という人々。 この二つ。それを厭離する。 法華経の教えと彼らの相容れ…

矛盾を生きる 「たとえ劫尽きて大火に焼かるとも・・・」

世の中は矛盾に満ちています。 例えば「慈悲に満ちた生き方」をしたくても生きることは殺すことだと私は思っています。 65億にもなった人類はほかの生き物の住処も食料も生命も奪いながら生きている。 動物同士も殺し合って生きている。 おとなしく平和に見…

性格改善の御祈祷

性格改善の御祈祷できますか? 家族の困った性格のことで時々ご相談受けます。 もともと問題なかったのが変になったとかなら御祈願してよくなるかも。 例えばなんか取りついたようになったとかなら。 でももともと問題ある人は拝んでもよくなりません。 だっ…

余経の一偈をもうけざる者に授けよ

法華経の中に「余経の一偈すら受けぬもの」にこの経をさずけるべしとあります。 つまり余計な知識のないまっさらな者にこそ大事な教えは授けるべきだと言う意味。 これをもって日蓮さんは余経つまり法華経以外のお経は読まないでいいと言われたわけです。 私…

如来の余の深法のなかにおいて示教利喜すべし

法華経の信仰はとかく法華経でなくては駄目だという人が多いけど法華経そのものの中に「もし衆生あって信受せざらん者には、まさに如来の余の深法の中に於て示教利喜すべし」(嘱累品) とあります。 法華経は難解難入であって誰もが理解できる容易に教えで…

宇宙の慈悲を信じる 譬喩品から

『この三界(欲界・色界・無色界の三つ、存在世全部)は皆是我が有なり。 その中の衆生は皆ことごとく我が子なり』 法華経の譬喩品第三(法華経の第三章の意味)に出てくるお釈迦様の言葉です。 簡単に言うと「存在するすべて世界はすなわち我がうちにあり、そこ…

人生の目的と十如是の話

「人生の目的って何なのでしょうね」と聞かれた。 わからないけど・・・ まず存在すること。 そして自分の存在を肯定できる生き方をすることかな。 なぜそう思うか。鳥や動物は皆そうしているから。 自己否定する動物はいない。 でも人間は自己肯定のために…

陀羅尼品と新型肺炎

法華経の陀羅尼品 日蓮宗さんでは咒の部分だけつなげて特殊な読み方しますね。 天台方では普通に読む。 この中に鬼子母神十羅刹女が出てて来るのは有名。 いろいろな怨敵や魔類をおいはらってくれるという。よく見ると熱病を癒す本誓がある。 新型肺炎で法華…

法身仏のおはなし 如来寿量品

如来寿量品 法華経後半のもっとも重要なところです。 前半の方便品は「諸法実相」を説く応身釈迦の説。つまり肉体のお釈迦様とされています。 後半のこの「寿量品」は宇宙をカラダとする法身の御説法ということになっていています。 まあ、法身と言ったって…

「照千一隅」

伝教大師の言葉「照千一隅」 でもこの言葉、千なのか干なのか微妙だという。 干なら一隅にかかわりて照らす 千なら一隅より千を照らすになる。 師匠は「これは後者だ。隅っこを照らすというような伝教大師の理想は小さな親切運動みたいなものではない。」と…

安楽行品 親しくしないのは「差別」じゃない

法華経の安楽行品。 読んでみるとあんまり安楽じゃないね。 特に人間関係はえらく厳しい! 女性に説法するときに歯を見せてはいけないとまで書いてある。 要するに一緒になってキャッキャッと騒ぐのは駄目ということでしょう。 珍しいのは五種不男。 去勢し…

あなたの多宝塔を見よ

法華経の見宝塔品には法華経が説かれるところには地面から大きな多宝塔が湧出するという。 いわば法華経のシンボルタワー。 これって罰当たりだけど漫画の黄金バットのナゾ―タワーを思い出す。(笑) 「ロォーンブロゾ~!」 まあ、若い人はしらないよね。レト…

誰かがお経を聞いている。

法華経の中には読誦修行者のために如来が竜神、阿修羅、夜叉のような鬼神たちを派遣したり、化人を送ったりして読経を聴聞せしめるという。 「お経読んでたら行ってやってくれよ」ということですね。 だから目には見えなくてもだれかしら必ず読経は聞いてい…

化城喩品

八大竜王様の法楽に法華経を毎朝日に一巻ずつ読んで今日は第三巻 化城喩品までおわった。 リーダーの大菩薩が旅団をひきいて途中に神通力で城を作り、皆を憩わせて再出発。 本当の目的地へいざなう話。だから化城つまり幻の城の喩のお経です。 これって声聞…

上座部仏教の本も良いのですが・・・

時々うちあたりでも上座部仏教の方の書かれた本を読んで感激したなんて言う人もいます。 仏教は同じだからいいでしょう?なんて言うことも言う人もいる。 残念乍らうちは違います。それは上座部の本にもとるべき長所はいろいろある。 ですから本を読むことは…

薬草喩品 宇宙に呼び掛ける

昨日の天狐様の言葉で少し分かってきたのは「浄菩提心」ということ。 真言密教では如意宝珠に例える。 普通「悟りを求めること」と訳されるけど、この言葉は上座部にはないそうなので同時に「下化衆生」も含まれるといいます。 宇宙にその慈悲を信じる者があ…