老後の資金は2000万円必要とよく言うが、実際はそんなお金なんかない家の方がほとんどだと思う。
このドラマはいよいよ50代になって夫婦にどんどん、貯金が残り少なくなることが起きてくるこの映画。
宝塚出身のスター天海祐希さん主演だが、往年の大女優、草笛光子さん(88歳)もまだまだ健在だ。
再就職や娘の結婚、老母のお世話などどこでも起きうることが起きる。
老後の生き方としてシェアハウスというのも出てくる。
これは戦後分難されて細かくなってしまった核家族を再統合する一つの手段として考えられる手段だ。
人が集まればパワーが生まれる。逆に細分化されればそれはなくなる。
アメリカの持ち込んだ核家族政策は事実上、新たな「家」の価値を見出せないままに戦後の日本では伝統的な家の観念を破壊しただけで、ただの民族弱体化の道になってしまった。家族にまとまりがない。ハウスはあってもホームがない。
祖父祖母の葬式にも出ない孫たちもいる。それどころか親の葬式にも出ない子供もいる。お互いがまさに同じ屋根の下にいるという以外はバラバラ。どこに行き何をしているのかさえ全く知らない。
大黒柱という言葉があるように家族というものには柱が必要である。
昔は家長というものがいた。地震、雷、火事、おやじのおやじだ。
いまや、おやじはワンコやニャンコより大人しくなっている。
この映画でも夜電気のスイッチを切るよう妻に言われて切るのはいつも夫の役割として描かれる。
しかし家長もまた柱の象徴であって家の真の柱ではない。
家というフィールドが家として機能するための中枢のことだ。
それは家族の共通了解によって形成された「無形の習合無意識体」のことだ。
それが鎮宅霊符神というものの正体。
個人ではなく家族全体にかかわる問題。
そんな時は鎮宅霊符法を使うが、それは家の柱、家の霊ともいうべきを祈って収める方法だ。何も昔風の家族でなくても必ず柱はある。ふだん認識できなくとも存在する。
鎮宅霊符神の次第は数種類あるが次第だけ見えたぶんにはわからぬものが多い。
その柱を見出せずに祈っても効験は薄い。
それでは一般祈祷と変わらない。