飯縄様の眷属には狐と天狗がよくいわれるけどどうちがうのだろう・・・?
そう思っていたら梓霊狐から
「霊狐が人間に近い姿をとるのが大天縛、小天縛だ。基本的にそう違いはない。
だが、それは上位の眷属でないとできない。ゆえに天狗の方が上と思われているだけのことだ。」ということらしい。
さらに「天狗という時は三尺坊や千日大夫のような古への修験者の化生にも用いるが、委細を申せば、われらが天縛というはそれとはいささか違う。」といわれた。
思うに中世以降、修験道の活発化により優れた修験者が輩出され、多くの衆生を利益してきた。彼らは死後望んで天狗となり、長く世を守る存在になると信じられた。
兜巾に結袈裟というのがトレードマークだ。
勿論古来の修験霊場としての飯縄山にはそうした天狗も多くいるだろう。
かたや古き天狗はそれこそ天狐とも言い、獣面有翼の姿に描かれた。
彼らは山に潜む魔怪で人間とは違う。この時代に魔怪、魔王というのはおおかたそれである。
天縛とはそのようなものを言うのかもしれない。