三本足のガマガエルで風水グッズとして知られています。
中華街なんか行くとよく売ってます。
写真の蟾蜍は大昔に香港の「裕華国貨」に行って買ったものです。
寿山石製。
今回、信者さんから作りたいという相談がありまして、いささか驚きましたが、作らなくも売っているでしょうという話をしたら、どうもあのイボイボなのが気持ち悪いというのか気に入らないらしいんですね。
でも蟾蜍は蝦蟇だからイボイボないと話になりません。
チベットなんかではあの蝦蟇はお金食べてしまう悪い蝦蟇なんですね。同じく日本でも貪欲神で五色の貧蝦といって「荒神経」に出てくる三毒神のひとり。
いわば貧乏神です。
それで宇賀神様が蛇でこれを調伏されるんです。
宇賀神信仰の一面は貧乏神退治です。
飯縄様の腕や足に巻いてる白蛇も役どころは同じ。
でもなんで蝦蟇なの?実は思うにこれは中國、海蟾子という仙人の話にヒントが見えると勝手に思っています。
伝説ではウィキペディアに以下のようにあります。
16歳で科挙の明経科の試験に合格した秀才で、後梁の燕王に仕えて丞相にまで出世した。ある日、正陽子と名乗る道人がやって来て、鶏卵十個と銭一枚をくれるように言う。劉海蟾が言われた通りにやると、正陽子は机の上に銭を置いてその上に次々に鶏卵を乗せていく。それを見た劉海蟾が思わず危ないと叫ぶと、道人は「そう言うが、実はお前の身分の方がこれよりもっと危ない」と言い残してどこかへ行ってしまった。
正陽子のこの一言で悟った彼は、すぐに官職を辞して、狂人の真似をして歌ったり躍ったりしながら身の危険から逃れて、ついに道士となり、海蟾子と号して修行に専念した。のちに呂洞賓に会い、金液還丹の秘訣を授けられて、現在の陝西省西安市戸県の終南山の麓、石井鎮阿姑泉歓楽谷で修道して仙人となった。後世には同市の曲抱村の玉蟾台に「劉海廟」が建立されている。成仙した後、ある道観で「亀鶴斉寿」の四字を壁に書くと、同時に数千里四方の道観で同じことが起こるなど、常に終南山と太華山間を往来しながら、各地で様々な神異を顕わしたと伝わる。
この方、表面上は官吏、だけど実は仙人でしまいには井戸から三本足の蝦蟇を釣ってそれに乗っていずこかに消えていったといいます。
それで海蟾子。
蝦蟇仙人です。
でも蝦蟇は海にいません。海に住んでいる両生類はいない。
でもよく似た生物はいます。カエルアンコウというのがそれ。
アンコウというので魚です。
旧名イザリウオですがイザリというのがよくないというので改名しました。
海の底を前足のようなヒレと尾で歩くんです。その姿は三脚蟾蜍そのもの。
ああ、これだなと思った。
見たい人は観賞用の海水魚店に行けば売っているかも。
根強いファンがいて結構おいてます。
でもその姿が中国ではお金を持ってくる姿というので風水グッズ。お金を咥えているのが悪く見れば浪費の象徴で貧乏神ですが・・・持ってくるとみれば福の神ですよね。
発想の転換ですね。中国人はそういう点面白いというかすごいね。
貧乏神は一転福の神。
最初は三本足なので「お足が足らない」からお金持ってくるナゾなのかと思った。
まあ、貧乏の心を訪ねれば浪費。お金の心を尋ねれば稼ぎに追いつく貧乏なしというところですかな。
私は結構持っています。石の奴。個人的には石がいいと思う。
体験的にもそうだけど、土生金ですから土性の蝦蟇がお金を生みます。
開眼するときは荒神の真言と黒耳吉祥天の真言で加持しています。
黒耳吉祥天は吉祥天と姉妹で貧乏神です。
涅槃経では長者が両方ともおいだしたというけど貧乏神を祀って財の流出を防ぐ。それもあり。
まあ、神祇で言うと木花咲耶姫さんの姉のイワナガ姫さんみたいな立ち位置のお方です。