金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

飯、汁、餅、糖、根.、果


地方の篤信者様から見事なヤマイモが届きました。
大変大きいし、ハリがある。早速、聖天尊に差し上げます。
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古来。天部には飯・汁・餅・果と言って御飯、アズキの炊いたもの。お餅(お持ち。あるいは餅菓子の事)。果物(現代の天台では多くこれを菓子に充てる。昔日は木菓子で果実とすることも)までは常に上げるべきで、加えて糖。根を言う。

糖は甘もの、菓子でよさそうですが昔はいまのような菓子はないので餅に蜂蜜をかけたものとか、そういうの。
桃山時代でさえ、千利休さんの使った利休さん好みの御菓子ってなんと「焼いたコンブ」だったそうですから・・・、当時の南蛮菓子である金平糖なんて超貴重品です。

歓喜団だって砂糖はないから平安時代から江戸くらいまではクルミや干し柿をいれて甘くする、今の「木の実月餅」みたいだったらしいです。
だから果に当たるかも。今は糖ですね。甘いから。
根は根菜です。ヤマイモは根ですね。
そういう意味では聖天様のお好きな大根も根ですね。
歓喜団は唐果物(からくだもの)ですから果かもしれません。

お酒は歓喜天の特殊供物です。儀軌にあげろとある。
あげたら行者はその後それを飲めとまで言う。(使呪法経に酢になっている記述がありますが別本では明らかに酒です)
儀軌でそこまで言うのは珍らしいケースです。