金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

不動明王の本第6版 怒りはどこから?

お陰様で「不動明王の本」第6版です。
この本のテーマは仏教でいう三大煩悩の一つ瞋りです。

怒りはただ、やみくもに抑えても無駄です。理解しないとまた全く別なところで顔を出す。

今日も理不尽なパワハラにあって退職した方が、その時のことが腹が立ってどうしても瞋りが消えないというご相談。
「どうしたらいいでしょうか。何か怒りを退治する真言かお経はありませんか?」
「そんなものはないです。…それよりあなたは誰に対して怒っているのですか?怒る相手を間違えてませんか?」
「・・・・!?」

普通に考えればその酷いパワハラしたという相手でしょうけど…・それ以上に怒っている相手がいるはずなんです。

    それはたぶん・・・自分なのです。

パワハラになにもできなかった無力な自分を怒っているんですね。
もしその時言い返したり、反論し相手を黙らせられていたなら、今のその怒りは少なくともずっと小さなものだったハズです。
それをパワハラでやめさせられた!と思うと許せない!
でもそうじゃない。
正確に言えばやめてしまった自分がいるだけなんです。

一番腹立つのはそういう弱く情けないと思う自分自身なんです。
なぜでしょう。
いうまでもなく我々にとって一番大事なのは自分だからです。
他人なんかどうでもいい。自分に比べればね。
それが人というものです。それでいい。
誰がいけないという権利がある。
いやな奴なんか砂の数ほどいるのに一々腹なんか立ててられませんよ。
だから腹の立つところに自分がいる。必ずね。

・・・本当はいったい誰に怒っているのかもう一度考えてみたらいいよ。そうしたらその怒りは少し変わるのでは?
とお話させてもらいました。