金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

鬼神乱れれば・・・

本山で奉職している弟子から天下の疫病封じのために個人として何か祈りたいとのことで、愛染明王、如意輪観音どちらがふさわしいか聞いてきました。

正直どんな尊格でも「衆生無辺誓願度」の総願があるので、そこから見れば誰を祈ってもいいのです。

総願はすべての仏が総じて持つ願いですから。

ただし別願を探るというと色々ある。ここが専門知識が役立つところ。

私は総願からすれば愛染、如意輪どちらでもよいと思うが毘沙門天があるのだからそれがいいのではないかと思うと言いました。

その判断は毘沙門天が下は餓鬼類から上は飛行自在の夜叉大将まで一切鬼神の主だから。

仁王経に言う「鬼神乱れれば世間乱れる」で、まず幽世の出来事が影響してくる。

「天狐通信」でした武漢発生の疫病の話もそう。

瘴鬼の話をしたけどそれは幽世レベルの話。

具体的には何か原因はあるはずですね。科学的にわかるものが。

野生動物か。化学兵器か…わたし個人が考えるなら、病原がなににしても食品汚染による免疫低下が受け皿なのではないかと思っている。

 

でもそれとは別に見えない世界というのもリンクしている。

 

それは我々の心の奥ともつながっている世界。

 

毘沙門様は荒れまくる鬼神をおさめる首領です。

配下には八大夜叉大将・鬼子母神・二十八使者・そうそうたる鬼神がいます。

主人追い越して明王まで出世したけど縛迦夜叉大将つまり大元帥明王も毘沙門天の御眷属。夜叉としては今でも配下においでになる。

そういう鬼神の世界は我々の本能の世界、純粋に自己保存のためのこころ・末那識という領域と深くリンクしているように思います。

大森先生の施餓鬼で色々奇瑞があるのも実はこの末那識レベルのお掃除ができるからだと思うんですね。末那識は鬼の住処でもある。

 

山門の御修法で修せられる四箇大法の随一「鎮将夜叉法」は毘沙門天が本尊。

鬼神を治め率いて成る天下安寧の要法です。

天部で御修法に拝まれるのは毘沙門天と寺門の尊星王くらいでしょう。

三井の口訣で尊星王は毘沙門天の御后である吉祥天と同体というから毘沙門夫婦は人間界に有縁の天部の筆頭だろうと思う。

弟子にはかねて金光明最勝王経の四天王護国品もしくは観察人天品を法楽に読むといいだろうと言っておきました。

護国品はかなり長いですけど・・・。

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