金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

勢至菩薩と月の信仰

勢至菩薩は十二支を守る八尊仏では午年生まれの守護仏です。

それに以外はあまり単独で拝まれていることの少ないみほとけですが…今回一早く不動尊華水供・理趣分を共に満行した方が「勢至菩薩」を信仰されていて「勢至法」伝授の準備をしていました。

 

勢至菩薩は阿弥陀の補所の菩薩・つまりポスト阿弥陀の菩薩です。

観音様が第一で勢至菩薩は第二位です。

もっとも阿弥陀様が引退されるなんて聞いていませんからこれはこのに菩薩が実は阿弥陀様に匹敵する功徳があるということでしょう。

この菩薩は観音の慈悲に対して知恵の仏であり、パワーの仏でもあります。

魔王宮がこの菩薩が歩くだけ傾くとも言います。

勢至様はシンプルなお姿の菩薩ですが明王並みのパワーの持ち主ですね。

 

勢至菩薩はお月さまの本地としても知られています。

ちなみに観音様は太陽の本地 虚空蔵菩薩は星の総本地です。

だから23夜尊と言って月待信仰があるのです。

月拝んでどうなるの?って思いますか。

昔の農業は太陰暦で動いていますから季節の恵みはそのままお月さまの恵みですね。

昔は農耕社会ですから勢至様はお月さまの本地として厚く信仰されました。

お稲荷さんも農耕信仰ですが、農耕よりも経済の苞にって商売の神様になりました。

勢至様はそのまま月の恵みを今にうたう存在。

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私も知る茨城県竜ケ崎大徳寺町の天台宗薬師寺は二十三夜信仰を今に伝える珍しいお寺です。

境内には聖天堂もあります。