金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

星と台密の御修法

梅雨の晴れ間の夜空は潤いを帯びて実に美しいものです。冬の凛とした夜空とはまた違う趣ですね。

七月には七夕に向けて本命星を祈りますが、天台密教においては究極の本尊は北極星と北斗七星なのです。

これは東密が太陽の仏である大日如来を中心にするのに比して非常に対照的です。

天下国家の泰平を祈る比叡山の四つの御修法のうちでも、七仏薬師法と熾盛光仏頂法の二つは極めて星宿信仰色が濃い。

なんとなれば七仏とは北斗七星であり、熾盛光仏頂(金輪仏頂)とは北極星の仏だからです。

面白いことに金輪尊は大日如来が月輪光背なのに対して日輪光背を背負います。

 

これは三井寺では尊星王菩薩に変わります。

尊星王供もまた天下泰平の要法であり三井の御修法として知られました。

特に北極星は地軸の延長線にあるため不動の星として帝の本命をつかさどるとされてきました。天子は南面するというため北天の中枢が帝位とされました。

これに対して北斗七星は天下万人の運命をつかさどるとして十二支の生まれによって七つに配当されたのです。

天台密教から言えばなにをおいても皆自分の七つの星こそ拝むべきなのです。

さらにこの七星は天台主語の神祇 山王七社権現の信仰にもつながっていくのです。

 

※ 26日まで受け付け中です

www.secure-cloud.jp

※ 伝湛海律師筆 絹本金輪曼荼羅    

中央の上から右回りに馬宝 象宝 主蔵法 主兵法 佛眼仏母 輪宝 珠宝 女宝が遶ります。主兵宝は無能勝明王の姿で描かれている。無能勝尊は胎蔵界では門々二守護とし男女二尊で登場する。釈迦如来の教令輪身(明王身)と言う。

考えればこれらの宝物は僧侶に必要のないもので、金輪仏頂は転輪聖王(聖なる理想の王者)たる帝になぞえられています。つまり王のための修法なのです。

   

     イメージ 1