尊勝陀羅尼は願海大行満が深く信仰した陀羅尼です。
大行満が中山二位の局のご懐妊で明治帝ご誕生を祈ったのも仏頂尊勝法と聖天供によったといいます。
その折の聖天尊が奉安されたといわれているのが私が修行させていただいた大福生寺です。
願海さんは聖天尊への信仰と並び、尊勝陀羅尼にも一方ならぬ信仰を寄せられ
また願海さんには刎頚之友である冷泉為親氏に書かせた尊勝仏頂の宝塔を囲む「神明仏陀降臨曼荼羅」や古来の陀羅尼の霊験談を納めた「尊勝陀羅尼明験録」があります。
今回の縁は何か願海さんからなんだかご指名をいただいたような気になって面はゆい限りです。
実は私も日ごろは尊勝陀羅尼が好きでよくお唱えします。
境稲荷と目される尊勝大明神は大行満が感得された童子型のお稲荷様で尊勝陀羅尼の守護神です。
そんなわけで願海さんには親しみがありますが・・・
ただし、願海さんは猫が嫌いなところは私と真反対。
釈尊の涅槃図にも描かれない妖獣だといわれて寺においては良くないというのですが…ちょっと残念。
猫は仏教伝来とともにネズミからお経を守って来た動物ですから。