事件化しないからわからないだけでこういう地獄は随所にある。
私も幾たびも相談された経験がある。
長男が亡くならないのはよかった。
これを機にこの家庭に光がさしてほしい。
警察は基本家庭暴力は注意するだけで関わらないことが多い。
ただただ耐えるか、必然的にここまで行くかになる。
あるニートで暴力的な子供さんの支配した家の奥さんの言葉は今でも忘れない。
「私たち夫婦に老後なんてないんです。」
子どもと言っても当時私の一つ下だった。
私も彼も30代前半だ。
一番最初に相談を受けて「それは私には無理です」と言って断ったが、その後夜中に暴れて「なんとかいますぐに助けてください!」とい悲壮な電話をもらい、ほかに仕方なく「金縛り」を掛けたら、妙におとなしくはなったという電話をもらったもののどういうわけか、その後1週間のあいだ部屋にうずくまって口もきけなくなったという。
今思うとその人が家族にかみついて皆血を流したというので動物霊でも介在していたのかもしれない。
もうひとつその時、わかったのは金縛りがこんな風に即座に効たのは、この術を媒介する護法神の力で私自身の力などではないな!と如実に感じたことだ。
「術はいつ解けるんですか?」と家族に電話で尋ねられ・・・
こんな結果になって心配したくらいだ。
普段したところでこんなにはおそらく効かないだろうと思った。
まさに密教の法は三力冥合があってできるので私が何でもエスパーのように自由自在にできるわけではない。
この金縛りを機にそれからこの一家との付き合いは始まった。
警察はその都度来るが「まあ、、もめないで・・・」というのみだったという。
この人は精神病ではないが精神的に病んでいることは確かで、どういうことかわからないが父親への強い恨みがあったようだ。
これでおさまったわけではない。
問題は根本的に消えなかった。
それでも年数を経てだんだん沈静化してきたと思ったら急に自殺してしまった。
思うに頭がだんだん冷静になってきたらなってきたで自分の将来を絶望視したのだと思う。
やりきれない話だ。
こういうことにならないよう初めから緊急隔離措置といったようなものを儲けられたい。