聖天供 明日のお供物にデコポン
従来、柑橘類は聖天さまには上げないとされてきましたが師匠はあげていました。
「柑橘類はいけないのでは?」と尋ねたら「酸っぱいからダメなんでしょう。今は甘いから」というので私もミカンなど上げるようになった。
ミカンがそもそも蜜柑で甘い柑子という意味ですから、ダメなのは昔の柑子、柚子の類でしょう。
蜜柑は紀伊国屋文左衛門の蜜柑船でも知られているように近世になってやっと流通しました。
甲州のブドウ栽培の方が古いくらいだ。
だから平安時代なんか甘い柑橘はないんでしょう。
特にデコポンは三昧耶形の如意宝珠に似ているので見つけたら買って必ず上げています。
他にもキノコがいけないという。
ゾウの耳に似ているとか、お釈迦様が栴檀樹茸を召し上がって亡くなったとか言いますがはっきり言って取るに足らない話だと思う。
レンコンもなんでだかダメだという。
師に言わせると「そんなこと言ってたら百味供養なんかできない」といわれた。
私もそうだと思う。
肉や魚以外は何でもあげています。
洋菓子はバターなどの乳製品が入っているからダメとかいう人もいますが、それこそインドでは乳製品はご馳走の第一で神様にあげる最上級のものです。
バターの類、ギーは浴油の油に蜂蜜と一緒にも入れています。
聖天浴油の油は「蘇蜜油」というのですから蘇(乳蘇)と蜜が入らないといけないくらいですからね。
これらはご家庭でもあげてください。