五戒の伝授が終われば次に「発菩提心真言」を伝授します。
ここからは密教の伝授です。
発菩提真言は菩提心を堅固ならしめるものです。
菩提心をしっかり起こしたら、次に受けた戒が円成するために「三昧耶戒真言」を授与します。
この二つは勤行要集にも出ていますから必ず伝授します。
最後に本尊十一面観音の真言を授け、十種勝利 四種果報の誓願を説明して終わります。
この後に受者は戒師を三礼して、戒師は授戒法楽のため心経一巻をお唱えして終了します。
菩提心とはなにか?それは仏教修行の心です。
ですから修行の心なきものは授戒の対象にはなりません。
戒は受ければそれで終わりではないのです。
それは新たな生き方への再出発なのです。
三昧耶戒とはなにか?それはかたときも離れず仏とともに生きることです。
それこそが新たな生き方です。
「仏教徒でござい」などと言うことは奇をてらった言動や、偉そうにろくに知りももしない説法めいたことなどは言わず、表には慎み、あくまで内面にしっかり仏を置くことです。あなたの行いこそがあなたの説法です。
口と行いの違うものはひとは聞いてくれません。
信仰は人に知られても堂々とすべきものですがあえてひけらかすものではない。