あたらしい石のお地蔵様をお迎えして、ひさしぶりに地蔵供をいたしました。
お地蔵様は如意宝珠と錫杖を持つ姿がよく知られています。
錫杖は布施、持戒、忍辱、精進、禅定。智慧の菩薩の六波羅蜜の修行をすすめる象徴
如意宝珠は浄菩提心の象徴。そしてお地蔵様自身のお働きをあらわすもの。お地蔵様の三昧耶形といわれます。
三昧耶は等しいという意味ですからお地蔵さまと如意宝珠の働きは一緒なのです。
浄菩提心とは真如に向かう心ですが、これには発菩提心と言って誓って仏道を修行しようとする勇猛心と私たちが本来持っている本有の菩提心というものがあります。
本有の菩提心は私たちの持つ人としての良心、いわば人間としての特有の本能です。
これは後天的に道徳で教えられるものではなく、私たちが本来持っている人を思いやる心です。
人間は社会的な動物ですからお互いを必要とし大事にしなくてはならないという善き心は本来のものなのです。
これに素直であればあるほど人は仏に近づきます。
そして、これが私たちの死んだ後で私たち自身に対する評価をします。
だからお地蔵様は閻魔様と同体というのです。
優しいお地蔵さまが自分自身を厳しく見つめるときは恐ろしく厳しい閻魔様となるのです。
でも閻魔様もお地蔵様も我々の本有の菩提心の化身であることは変わらないのです。
浄土も地獄も私たちが作り出す心の世界です。