金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

理趣分伝授のおたずね

理趣分を学びたいという問い合わせをちょくちょくいただきます。

或いは「読んでは駄目ですか?」という質問を頂戴しますが、当院ではお得度した方のみに伝授しています。

 

それも礼拝行、護身法伝授、准胝独部法、准胝三七法までやった方に初めて伝授しております。ここまでは在家でも許可しています。(講員様限定)

理趣分は順教師以上(僧籍がある人)でないといけません。

理趣分作法は縁によってお坊様、神官、伝承系の呪術師に伝授することはいたしますが在家の皆さまにはお授けしていません。

なお、神官、陰陽師の様な方は仏教のほかですので、護身法から准胝独部法まで同じようにして学んでいただいてから伝授いたしております。

 

 

経本自体は簡単に手に入りますが、私は師伝によりこれは伝授するもの。それもかなり霊験顕著で、とりわけ決しておろそかに扱ってはならないお経と聞いていますので当院内におきましても伝授無しに読む人はありません。

 

 

ただし、これはあくまで師と拙寺の考え方に過ぎません。

したがって講員外のかたが読誦するのはもちろん個人の自由であずかりしらぬところです。

読むなと言っているわけではありません。読みたきゃ自由です。

他人様がなさることに一々口出ししない主義ですから。

 ただ私どもにおいてはそのように心得ております。

自分への呪詛    善龍庵

 

悩みのある人からのメールの多くには「私には〇〇が無い」と記してある。

〇〇には、お金、人望、運、愛情などなどが入る。

この文章を読むたびに、「もったいないことだなぁ」と思う。

これは自分に向かって呪詛しているようなものだ。

 

言葉は心を作る。心が気を作る。気が物質に影響していく。

だから多くの宗教は言葉を大切にする。仏教の十善戒でも言葉に関する戒めが四つと一番多い。キリスト教神道も言葉を大切にする。

 

とはいうものの、悩んでいる時に愚痴が出るのは無理のないこと。ポジティブシンキングになれと言っても無茶な話だ。

 

まずはそこに気づくことが大切だ。

とりあえず愚痴っても構わない。

その時に「また愚痴ってしまった駄目だ」というのは呪詛の上塗りである。そこに気づいて、あとはただ信仰する仏天の真言を唱えておけば良い。

 

そして、平生から悩みを神仏に預ける。先祖に感謝をする行を心がける。ご縁ある方、お世話になったかたに報恩を心がける。そして自分にすでにあるものに注意を向ける。

 

行だから簡単ではない。ある意味トレーニングにも似ている。

 

そこで工夫する。うまくいってる人の話も参考にする。

 

それが自分への呪詛から解き放たれる道である。解き放たれるだけではない、良いことが増えていく。そう思うと逆境も自分を磨く砥石となる。

 


f:id:oomorigijyou:20201026095445j:image

 

薫陸香焚いてみました。

クンロクコウと読みます。密教では重要なお香です。

水天供などにも用いるようです。

クンドロムと言う。くんろくは音写。

風流かなと吊り香炉で焚いてみました。癖はありますがなかなか好きな香りです。

f:id:konjichoin:20201025211953j:plain

 植物の樹脂ですがよく「乳香」と混同されるとか。厳密には違うお香です。

私は乳香よりこちらが好きかな。 乳香は酸味があってツンと来るけど。

f:id:konjichoin:20201025212028j:plain

 飴色で美しい結晶。

f:id:konjichoin:20201025212242j:plain


 

お坊さんとしての学び

祈祷をもっぱらにすると言っても・・・

お坊さんを目指す以上、ただ拝んでおればいいというものでもなく、法義の練習も必要です。

これをしておかないとお坊さんらしくならないんです。

というより僧として通用しない。

民間の祈祷師などと袈裟や衣着ている以外に区別がなくなる。

拝むという点だけなら民間祈祷師でもいいのですが・・・坊さんになってる以上は坊さんのことは一応しないとね。

 木魚のイラスト | かわいいフリー素材集 いらすとや

で、今日はお弟子さん集めて法華懺法講の練習をしました。

感謝祭には導師以外は新人のお坊さんだけでその法要をします。

声明のほか、差定の話や入堂の話、立ち振る舞いの威儀や散華を巻き、鉢を打ったり鐃をうち、木魚をたたくなど。

この辺が全然だと結局拝み屋さん特別つかなくなるので、もっとも本式には講習会にいかないといけませんが今年はコロナで中止でした。

こういうことは小僧時代に学ぶものですがなかなか教える機会がない。

私なんかの指導よりもなるべく本山での学ぶ機会に参加して欲しいものです。

お坊さん目指すと大体普通は行儀見習いみたいのがすごく長い。

法要に出るどころか人前で法衣も着る機会は滅多ありません。

したがって法要まで参加するというのは一応もう僧侶と言う扱いです。

だからこういうのは知らないといけません。

 

施餓鬼供養への質問  善龍庵

 

 

問1

施餓鬼供養は外国人の方や仏教徒以外の方でも対象になりますか?

 

答1

仏教では一切衆生悉有仏性と考えます。また真言密教では全ての教えは秘密荘厳心に包含されます。ゆえに施餓鬼供養でご供養できない対象はありません。また施主が外国人であっても問題ありません。

 

 

 

問2

色々な問題があり施餓鬼供養を行いたいと思っています。しかしどなたを供養したらよいかわかりません。

 

答2

原則はご先祖を供養することです。さらに三界万霊を供養すると大きな功徳を積むことになります。運命の塞がりの多くは徳がないからです。そういう時は有縁無縁の供養をするということが昔から行われています。

有縁はご先祖など。無縁は三界万霊です。

 

ご供養を続けているうちに、不思議と気になる方が出てきます。時期を見てその方をご供養するとよいですね。

 

 

問3

御眷属の倍増威光の施餓鬼供養をしていますが、諸天や諸神の施餓鬼供養もできますか?

 

答3

報恩謝徳という形で施餓鬼供養することをお勧めしています。

山川地主や諸鬼神などは、施餓鬼供養で直接供養します。上位の天部に対しては、施餓鬼供養の功徳を法味として回向するものです。

 

 

 

 

 

 

 

皆に言っていいこと、そうでないこと。

スピリチュアル系のセミナーなどから来た人には二通りのタイプがある。

ズバリこれは公に言ってて良いこと悪いことがわかる人とそうでない人。

地震の無料イラスト | フリーイラスト素材集 ジャパクリップ

例えば大災害でおおぜいの人が死ぬけどそういう人の魂は皆高いレベルに進め為に必要だっとか・・・

そういう理解は自分がするのはいいかもかもしれない。

個人的レベルではそれで初めて納得と言うこともあろうから。

だがだれにでもいうべきことではない。

そういう区別がわからずむしろ人に教えて回ろうとする人。

論外ですね。

でも人がそれで納得するのは自由だと思っております。

思うに大事なのはそれが本当か否かなどより心の折り合いの付け所ですから。

 

その思想自体は私はどう思うかって?

 因みに私はそうは思っていません。否定派です。

私は皆さんが思うほど神秘主義じゃない。

世間流布の予言なども基本的に一切信じない。

ありえないとまではいいません。

別に科学万能主義者でも合理主義者でもない。

宇宙と言うのはもともと不合理なもの。

予言も当たることもあるかもしれないが、でも十中八、九は外れる。

その程度のものを信じるのは無益なことです。

むしろそういうアタマは害の方がはるかに大きい。

 

 

 

今日はお地蔵様の日

本日は24日でお地蔵様の日です。

浴油の後、頼まれていたお地蔵様の開眼と一座行法をいたしました。

現代の彩色像ですが綿のようにふっくらとした柔らかな中にも芯の強いお地蔵さまです。

f:id:konjichoin:20201024193604j:plain

 

母の優しさと強さを漂わせます。

お地蔵さまにあるのは女性性ではなく、あくまで母性です。

お地蔵さまは親子の縮図。

子も母となり、母もまた子供だったのです。

じつは母性は女性だけでなく男性にも潜んでいます。

地蔵本願経ではお地蔵様の前世は親孝行の女性だったそうです。

母の滅罪のため不惜身命の礼拝行で身まかり大慈悲の菩薩に転生しました。

このお地蔵さまはかわいい赤ちゃん抱いていますね。

f:id:konjichoin:20201024191625j:plain

 

縦の霊障 横の霊障

日本は先祖とか継承を大事にする国。

孝は百善の根本と言う思想。

良いことも悪いことも家系の中にある。

霊障も同じ。これは環太平洋等しくその傾向。

だから先祖が浮かばれていないとか、先祖が守ってくれると言う話が多い。

信仰と言うと先祖崇拝。

 

西洋は空間の世界、いわば横に展開する今の社会の枠が大事。

だから悪魔は外から来る。過去からの問題はあまり言わない。

先祖より夫婦単位の世界。

現実にはどちらもあるのだが西洋のキリスト教社会は先祖の浮かばれていない霊とか認めないし、日本では悪魔の障礙ははやらない。

 

でもどちらかしかないと言うのは変です。

日本でも魔の障礙はあるし、西洋でも先祖問題はあるだろう。

特に日本はそう考えないね。

大体霊問題は先祖とかが多い。

 

実際は鬼神の障礙と言うのも少なくないのだけど・・・話すると「そんな荒唐無稽な話」と言う顔する。

西洋では逆なのかな。

 

 

 

 

 

神僧の御祈願

2,3年前ですが中国のあるお坊さんの御祈祷をしました。

何でも孔雀明王法をしてほしいそうで孔雀法の行者を探したが、内地に思わしい人がいないので日本まで範囲を広げて探しているという。

 

でも私も知ってはいてクジャク法など滅多しないし、普段は十一面観音供でしているのでそれはちょっと私ではダメかも…と言ったが、ならば十一面観音供でいいから。というお返事でしたのでお受けしました。

 

何でも癌になってしまったそうです。

聞けばこの方は中国では名のある穢迹金剛の行者さんで、神通広大、金剛杓を空中に飛ばせる神僧のような方とのことでした。

「穢迹金剛」と言うのは日本で言う「烏枢瑟摩明王」と同じ方ですが、准胝懺法で両方お名前が出てくるから区別する考えもあるようです。

中華圏で「明王」と言えばこの方です。不動明王ではない。

日本だとトイレの守り神ですが、実は明王の中でも飛び切り御利益豊富な方です。

この祈願は秋ごろから祈って年末まで3・4か月祈願しました。

隣国のことだし、私のようなものがそんな偉いお坊さんを拝ませていただくのは徳積みになるので、あえてお金は頂かないで祈りました。

あとでだいぶ良くなり、お弟子方がそれでは言いけないというのお礼金を送ってくれました。

 

私は中共政府は大嫌いですが、中国の国民は東亜の隣人だと思っている。

随も唐も当時の先進国として大恩ある国だ。

 

年内でやめねばよかったがそういうことで一応切りがいいので辞めたら、翌年の冬に再度悪化して亡くなったということです。

 

続けていても御高齢の方ですし治るまでは難しいでしょうがもう少し延命はできたかもしれません。

残念です。

 

※拙寺の烏枢瑟摩明王

イメージ 1