私の師匠は中学生のころ将来の進路を決めるのに行者さんだった叔母の霊媒で決めました。
この叔母さんは田辺辰嶽という大変な行者の弟子です。
田辺先生には師匠も色々習ったらしい。
私のやる妙見法はこの人の流れです。
有名な気合術の濱口熊嶽は田辺先生の友達でした。
今はそんなことないんだろうけど、当時ではそのあたりの土地ではそうやって進路を占うのは珍しいことじゃない。
町中にそういう行者さんがいっぱいいたのが四国愛媛県のその当たりだったんです。
まあ余談だけど「いざなぎ流」の太夫だった私の祖父も愛媛にいたので広い意味ではその一人だったわけですね。
愛媛から高知の物部村に汽車に乗って習いに行っていたそうです。
それで私の師匠の場合は「坊さんになれ。それも葬式でなくて生きた人を救え。」と出た。
どうも釈然としないので二回聞きにいったら「天神さん」が出て「お前の守護神になってやるから頑張れ」と言われたそうです。
「天神さん」はその街の守護神でもあり、町の名前も天神町でした。
それでずっと天神さんを守護神としてやってきた。
聖天様も天神様と同体というので拝むことになったそうです。
いつもそばに天神さんがついているので霊能者が「先生は坊さんなのに衣冠束帯の神様が後ろにいますよ。なぜ?」と不思議な顔されたこともあるらしいのです。
それで普段から「なんかどこかで危難に逢って困って私を呼びたければ天神さんと一緒にいるから天神さんにもの言えばいい。」と生きているうちから言っていました。
そういうことなので師匠がなくなってから天神さん私も祀りだしました。
亡き師匠の代わりです。
浴油の時は聖天段の奥に安置します。
なんと、この天神さんは尺には本地仏の十一面観音の真言が書いてあります。
習合系のお像です。天神様のお像は結構多い、神様で一番くらい多いだけどこういうのは珍しいです。
私にとっても頼もしい守り神です。
時々「天神法」というのをします。
天神さんはまあ、祟り神だからほんとうはかなり怖いんだけど誤解されている人の味方です。
自分が讒言や誤解で不遇に終わった方ですからそういう人の味方なんですね。
日本の神様ってそういう失敗談があるからこそ、そこを守ってくれる方が多いんです。
例えばカグツチの神は火防の守護神だけど、この神様は生まれてくるときにお母さんの伊弉冉の産道を焼いて殺してしまった。それで自分はお父さんの伊弉諾に切り殺された。
だから火の用心。
天津神との戦で負けた諏訪明神さまは負けた神だけど日本第一大軍神です。負けを知るものの強みですかね。
誤解やいじめに悩む人は「おんとうどうしんじんそわか」という御真言をどうぞ。
明日は四国の愛媛ならぬ香川県に布教で参ります。