金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

なぜそれをいうのか?

占術の世界って結構仲悪いんですね。
例えば奇門遁甲でも紫微斗数でも四柱推命でも甲論乙駁で大変みたいです。
あいつがこんなこと言ってるけどあんなもの全然当たんないとか、そん
なこと言ってバカじゃないか!とかすごいですね。
すごいというよりひどいね。
去年のことだけどやはり宿曜占法やっている人から電話で問い合わせが来て、さる先生のとこにっていたけど、少々物足りないんでうちに電話したとの事。
でもその大先生は宿曜占法は「うち以外は全てインチキなのよ」というんだそうです。で、こっそり電話してきたらしい。
すごい自信なんですよね。私なら口が裂けてもよういわんわ。
「先生どう思いますか?」といわれたので「わかりません。よそ様のしている知りませんので。でも・・・そうなんでしょ。そんな偉い先生が自信もってそういうんだったら。」と言ったら「エ?」てな感じでした。
「でも、普通は宿曜って択日とか相性だけじゃないですか。羽田先生のは年とか月とか見られるんですよね?他にも方位とか。」
「まあね。そうだけど。あたるかどうかは別でしょ。」
「…」
「で、あんたはそこやめちゃうんですか?」
「だから、ホント迷ってるんです・・・どうしたらいいです?」
(知りませんよ。そんなこと)
「あなた占い師志望?」
「いいえ、そうじゃないけど好きで・・・」
「でもね、どこに行ってなにを習っても、術なんてトコトンやらなきゃみんな駄目だってことになると思いますよ。
自分なりに駄目を超すとこまでやんないと駄目。
だからアンタも迷うなら、せいぜいその先生についてトコトンやったらどうよ?
でなきゃお遊びなら面倒だから術なんていっそ全部やめちまえば?
お金無駄だし。そんなものしらなくたって人生、困りゃしませんよ。」
「・・・ハア・・・?」
ってなことで電話切りました。

戦国時代が終わったら雨後の筍みたいに剣術だの兵法だのの流派ができて、お互いが当流こそが日本第一、いや我が流こそ天下一といったそうです。御前試合とか色々デモンストレーションもあった。
でも戦国時代の武術は秘伝技を見せるときは相手に死んででもらうときです。
それ以外ない。
私がほんのちょっと習った柔術の流儀は「わが流は流祖、流名を言わずで」私の師がその師匠に「これは何という術で?」と聞けば「ヤワラだ!」でおしまいだったそうです。
それで長年やって言って初めて流名だのなんだの教えてもらう。
そんなものなんですね。昔のは。

私の流派は本に出ている範囲だけで、本音でいえば、なるべく奥の方なんてやらない人が多い方がいいんです。
でも、教えたことはどんどんやってください。だから伝授したら毎回「皆さん実践してくださいね。看板に「尊星王流宿曜道」と書いてもいいよ。」と言ってます。そういう意味じゃケチではないつもり。

そもそも密教のお寺さんの武器なんですから。
お寺さんには特にやってもらったらいいとは思う。
日蓮宗に「九識霊断法」と言って日蓮宗の坊さんにしか伝授しないのあるらしいけど、ま、そこまで厳しくないけどそんなスタンスです。
特に占い師さんには申し訳ないけどどちらかというとあまり教えたくない。
何故ってその人たちにかかったらいくらお坊さんなんかに教えても到底勝ち目ないですから。
なにせ専門家ですからね。抜群にカンの良さが違います。
だからうちのはシロート向けです。大したもんじゃございません。
只の占いマニアはもっとダメ。コレクターみたいな人。こういう人は平気でよその秘伝でも口にする。プロの占い師はそれは武器だからいわないよね。
そこはさすがにプロです。

在家の方に教えるのにも受戒うけて仏教徒になってもらってからじゃないと始まらない。だから面倒くさいよね。
「なんで占いするのに宗教に帰依するの?」って人もいるでしょうけど、もともとが密教のものなんです。でも嫌だよね。占い勉強したいだけなのに宗教なんて。
嫌ならしなきゃいいだけ。そうでしょ。

よそにはこんな秘術があってと言ってくる人もいますけど、私にとって術は武器ですので無用な公開はいたしません。
よそ様の占技のお話は「いやいや、すごいですねえ」で終わり。
なんでそれをわざわざ他人にいうのだろう?
秘密だの秘伝だのは只の一人だろうがたやすく言えば、皆に公表したのと同じです。
本当は術が知りたいんじゃなく術を知っていることを人に知られたいだけ。そういう人に秘伝なんて無意味です。
昔の人は知っている人でも「秘伝ですか?私なんか、そんなの知ってるわけないでしょう。」ととぼけたものです。
言わないことなら絶対言わない。誰にも言わないのです。
それで「いまわの際」に後継者にのみいう。
そういうものでしょう。
術は飾りですか?
違うでしょ。
昔、携帯のアプリでやりたいので是非!というお話がありました。
答えはもちろんお断りです。「なんで?」というので「あまりイージーに広まっちゃ困るんで」といったらあきれられた。(笑)
私はそういう馬鹿ですので。