金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

念を送られる人々

かなり昔です。
私がまだ駆け出しのころ。
ある霊的な相談をしたいという女性の方が見えました。
仕事はかなり優秀な能力値の高い人なのですが・・・
ある男性が彼女に念を送ってくるというのです。
その女性を自分のものにしたいという念だそうです。
そしてその男性というのが当時結構知られていたイケメンタレントさん。
その人に念を送られて苦しいという。
あったことはないそうです。
それなのに…そういう認識。
困りますね。
こういうのは、念を送っているのはそのタレントさんじゃなく、存外自分のほうなんですね。
でも相手が送ってくることにしているんです。多分好きなんだね。
考えればすぐにわかることです。
この人のこと知らないですから相手のタレントさんは念を送るわけないんですけど。
まさか、相手のいうとおりに「念を返す祈祷」なんて馬鹿馬鹿しくてやっていられません。
そこで一計を思いついた。
「ア、それね。人間に見えるけど狐ですよ。化け狐です。だまされちゃいけない。」というと、「え、キツネ・・・ですか?」「そうです。狐です、第一相手の男性は貴女にあったことないのに念が送れますか?あなた騙されていますよ。」というと「はあ・・・?狐ですか。・・・なるほど」という感じでななんとか納得。一応落ち着いたのかそれで来なくなった。ホントはがっかりしたのかも。
まあ、とにかくそんなでした。
よく「念が送られている」というと大騒ぎしますけど…そんなもの送られたってなんでもないです。「エ~、送られているんだ!!」ということで大騒ぎするからいけないんです。
そうでなければ99パーセント何でもない。
そんなんですぐにどうにかなったり、死んだりするくらいなら世の中屍の山だわ。
あほくさ。よほどの術者か超能力者が本式に呪詛やるでもしない限り心配ない。
だから最近は「私って念送られていませんか?」というようなこと聞かれると「たぶんね。送られていますよ。誰でも普通何らかの思いは誰かしらから来ています。人の想いなんてどこにでも一杯泳いでますからね。そんなの当たり前です。それが何か?」
私のことをスピリチュアル系の坊さんだと思ってくる人は拍子抜けするでしょうね。
オーラのレヴェルがどうとか、ソウルメイトがどうとか、アストラル界がどうの、アクエリアスの時代がどうのとか…スピ系なんか、わたしゃ関係ないです。
そんなことばかり言って放置していると、そういう人たちばかりが集まってしまって、仏教なんか御呼びじゃなくどこかへいってしまいますのでね。
信仰の邪魔です。そういう人はおかえりはこちら。
別に悪いとまではいわないけど、そういう手合いの方々のとこへいって存分にお話してください。

逆に私を「霊魂なんかない」とか「輪廻なんかあるわけない」とか鼻で笑うような「科学」にスリスリするような、現代風なお坊さんだと思うのも、もっと大きなまちがいですけど。
「どうして仏教は輪廻みたいな非科学的なこと言うのでしょうかね?」って聞いてきたオリコウそうな人がいたけど、「科学じゃないからでしょ。」と言ったら呆れられた。
「こんなバカとは話にならない!」と思ったでしょうけど、望むところです。
そういう奴とは話しても始まりませんからね。
こんなバカでけっこうけだらけです。

あ、そうそう。それでね、最近はそういう人が来ても狐のせいにしたりは一切してませんよ。反省しましてん。
「そりゃあんたの思い込みでは?」とハッキリ言っています。
なぜかって?
そらあアンタそうでしょうよ。狐に罪着せたりして、狐から苦情が来たら困りますからね。