金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

飯縄様の人気


うちは書類上のご本尊は実は飯縄大明神です。
これは金翅鳥院の本尊。これともともとやっていた大慈光教会という観音様の教会を合体させたのが現在の金翅鳥院。
そもそも金翅鳥は迦楼羅の事で飯縄様を指す。
だから聖天尊は本尊ではないんですね。十一面観音信仰の延長でしてます。

最近、飯縄様好きという人が結構来る。
かと思えば他宗の方で「そんな妖しい本尊拝んでいて大丈夫?」と聞く人もいるし、在家でもちょっと物知りだと「狐を使う妖術の本尊なんでしょ。」と恐る恐る聞く人もいる。
是か非か。
飯縄様の人気はそこが全く二分されるのが面白いですね。

高尾山様ではむしろ不動明王信仰を前面に強く出されているようです。
その方が一般には理解しやすいからでしょう。

ただ飯縄様の人気はご利益とかより飯縄様自体が好きというのが多い。

聖天様の場合は強いパワーが欲しいという方。聖天様自体見えないように祀っているからよくわからないけどなんかとても祈願に強い神様ということで人気がある。
それだけにガツガツした人もくる。飯縄様はそこがあまりみられない。

そもそも師匠が不動信仰があり、師匠はともすれば暴走しやすい聖天信仰の抑止力として不動信仰による滅罪生善の信仰を宣揚していました。
それで聖天、観音、不動の三位一体の信仰だったから、自分もお不動様の信仰ということでいいかなと思っていたけど・・・やはり飯縄様は飯縄様で別なのだな・・・と強く思いだして去年あたりから飯縄様はあくまで飯縄様として拝んでいる。

飯縄様を「デビルマンみたいで格好いい」といった人もいたけど。これ喜んでいいのかどうだか・・・
古書には「我、衆生の苦に代わって大魔形を現す」というから悪魔で当たっていないわけではないですね。
でもそれはそのままに我々の魔性の体現でもあるのです。

我が国の歴史で悪魔というと天狗ですからね。
飯縄さまには修験者が化生した天狗以前の魔物としの天狗の原点的な姿がある。
故に結い袈裟も付けないし、修験装束や兜巾も付けない荒々しい半獣神の姿で自然そのものの表現になっています。
ま、でもまあその異形の姿に大きな秘密があるのが飯縄様ですからそういうところに曳かれるのもおおいに有りかな。
実は私も全くそうですから

それは実はとりも直さず自分の中の魔性を見つめていることでもあるんですよね。
「我が内なる神性を見る」とはよく言われているけど「我が内なる魔性を見る。」
それが飯縄様の信仰。
でもそれが大事なのだと思う。