その中でこんなエピソードが語られました。
ある占術家がいました。
彼はお金がないのでいつも占いの専門書店で立ち読みをしていた。
彼が気に入ったのは「安倍泰山全集」でした。
全22巻で大変な分量がありますが、なんとそれをお金がないので立ち読みして暗記しようとした。
それを毎回黙って見ていた店主は事情を知り、「うちは書店だから本を売って生活している。だから、お金のない人にその本を譲るということはできない。だが紙とペンを持ってきて写すことは目をつむろう。」といってくれてそうです。
それで彼はその全巻を書写したんですね。店頭で。
写す方もすごいがこれを許す方もすごい。
普通は大変な迷惑です。「買わないなら、こないでくれ。」というのが普通です。
この方はのちに六壬占法で知られるのひとかどの術者となり著書まであらわしたといいます。
店主の破格の情けとそれを呼んだ本人の努力。
凄い話です。
店主も偉い!本人の写す努力も偉い!
私もですが、さいわいにも本が買って読めるなら実に身に沁みるべきお話ですね。
合掌