荼吉尼天祭文のなかに利生を施与すること十九種ありと言いますが一体どんなことでしょう。
その内容は「神道集」によれるところを解釈すれば
一 諸病を除く
二 福徳を得せしむ
三 愛敬を得せしむ
四 主君に重く敬せられる ※現代風に言えば目上の人に愛顧を得る
五 盛家と成って資財具足する ※家が栄えて欲しいものが手に入る
六 五穀豊饒なり ※農家なら豊作になる
七 衣装豊かならしむ ※欲しいファッションモードが手に入る
八 牛馬六畜成就する ※飼っている動物が健康で増えたりする
九 従うところの眷属満足する ※部下が忠実になる
十 端正の子を生ずる ※美男・美女が生まれる
十一 衆人愛敬の子を生ずる、 ※人様にかわいがられる子供ができる
十二 利根自在の子を生ずる ※利発な子供ができる
十三 持念の輩の病の家に行向うに忽然として病鬼退出する
※荼吉尼天信仰の人が行く先では病魔が去る。
十四 持念の輩 難産の所に向かっていくに諸魔の縁を払って安穏にして産ましめる
※荼吉尼天信仰の人が行く先では魔を払い安産になる。
十五 盗賊の難を除く、
十六 高位に昇る
※出世する。
十七 軍陣の所に至るに忽然として怨敵逃げ去る
※敵軍が戦わずに敗走する。
十八 呪咀本人返る
※呪いをかけた人間にそっくり返る。
十九 一切霊験自在なり
※そのほかなんでも都合がつく
ということのようです。
すごいですね。
他にも一種の星神的要素があり、年から時間の厄まで除きます。
これは荼吉尼天が安倍晴明などの陰陽師が用いたという六壬式占という時間占いと深く関係があったからのようです。(安倍晴明のお母さんは狐だという伝説もある)
三天女子と帝釈使者・八大王子を合わせて12眷属があり、これが12時にあてはめられたのです。
古くは盤法と言って占いの式盤を壇の中央に置くのを秘事としました。
