三井の御修法で知られる尊星王と言えば北極星の神様・北辰妙見菩薩ということですが、これは必ずしも北の守護だけではない。
そもそも王城の東北の地にあたる比叡山では熾盛光仏頂法 七仏薬師法等
星に関する秘法が多い。広い意味で言えば皆星祭りです。
星祭りは寿命と一年の無事を祈るもの。
さらに比叡山のこれらの法も三井の尊星王供ももともとはこれは王城鎮護。、帝を守護するのためといいます。
桓武帝は新しい都平安京の東北である比叡山に修行する伝教大師をこころずよくおぼしめされました。
比叡山もそうですが三井寺も同じく王城の東北です。
その濫觴には当時の強い方位信仰があった。
尊星王の光背には狐 トラ 豹が星に齧りついています。
これは東北の星宿である 心宿 尾宿 箕宿の星獣です。
蠍宮から弓宮の星々。
これをもって鬼門を守る星の神々の表現といえると思います。
さらに普通 妙見菩薩はヘビを伴うカメに乗りますがこれは「亀蛇合形」である北の神『玄武』です。
しかし尊星王は東の守護神『青龍』に乗ります。ここにも単に北のみならず、東にかけての尊星王の広い範囲の守護がうかがえます。
東北への信仰 鬼門信仰はやはり日本には根強いですね。