金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

一休禅師の正月観

去年の正月11日に我が母が亡くなり、その前後も多くの知人、友人の親御様が亡くなりました。お弟子さんや講員さんでお身内をなくした方も少なからずある。

また、拙寺で長年可愛がっていた猫ばかりか若い猫も急死し、また飼育していた多くの生き物も命を失いました。

本当に多くの人や生き物が亡くなった一年だった。

おのずと無常観が沸いています。

新年早々、このような話はいかがなものかとは思いますが・・・室町時代の臨済宗の高僧・一休禅師は「正月は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」と言われました。

実際は私たちは日一日、終焉に向かって進んでいる。

今日が一番若い日ともいえるが、考えようでは今日が一番年寄りの日ともいえる。

正月という年の区切り目で子供でも若い人でも老人でも「ああ、また一年歳をとったなあ」と思うのですが、本当は正月が来なくても日々とっている。普段認識しないだけのことです。

寺門宗の宗祖・智証大師円珍様の言葉に「人生50年 夜はその半ばを過ぎる。努めよ。努めよ。」と言うものがあります。

人生50年は昔のことだが、活躍期を考えれば長くてそんなものだ。

改めてそれを思えば一日一日をかみしめて生きたいものです。