金翅鳥院のブログ

天台寺門宗非法人の祈祷寺院です。

霊狐と読む仏説聖不動経 前編

仏説聖不動経

 

爾時大会 時有一明王 是大明王 有大威力

大悲徳故 現青黒形 大定徳故 坐金剛石

大智慧故 現大火焔 執大智剣 害貪瞋痴

持三昧策 縛難伏者 無相法身 虚空同体

無居住所 但住衆生 心想之中 衆生意想

各々不同 随衆生意 而作利益 所求円満

爾時大会 聞説是経 皆大歓喜 信受奉行

 

大会とは釈尊説法の座を言うのがお経の定説です。それに間違いはないのですが・・・

でも霊狐さんは「そうではない。今ここのことだ。お前がこれを読む場だ、他に大会なし。」と言われる。

 

青黒い色は密教では調伏を表す色とします。が、もともと欧州から来たアーリア人(欧州人とルーツは同じ)に仕えたドラヴィタ系の先住民の体の色で奴隷階級すなわち、奴僕の相を言うものと思います。

これは行者に仕えるという不動尊の特徴とされます。

童子相というのもそれで、サーヴァントの少年のお姿です。

岩座に坐する。瑟瑟座というごつごつした岩座に坐する。

この岩座は本来は宝石だと聞いたことがあります。

なので真言宗の法では独特の宝の延べ板がレゴブロックにかさなったような座にすわれたお像も多い。これを瑟瑟といいます。

 

智慧の大火を背負い、智慧の剣で煩悩を切る。

仏の持つ剣には二つある。

智慧の剣と宝の剣。不動尊や文殊菩薩は知恵の剣。

虚空蔵菩薩や宇賀弁天の持つのは宝剣で実際は少し切っ先が宝珠型になる。

これは「悪縁を断ち切ることによってかえって豊かになる剣だ」と霊狐さんは言います。

三昧の縄を以て伏しがたきものを縛る。霊狐さんは「難伏のものとは己の心だ」という。

伏しがたきものとは我々の煩悩を最たるものとします。

これは定に入る。

つまり心動揺せざる境地に入ることによって自分の迷いを縛る。

縛るのは他者ではなく自らの定まらざる心です。

 

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